2003 Fiscal Year Annual Research Report
高速昇温下におけるモリブド珪酸の構造変化とメタン水蒸気反応場の創製
Project/Area Number |
13126209
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
上野 晃史 静岡大学, 工学部, 教授 (30135420)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 直人 静岡大学, 工学部, 助教授 (50192464)
|
Keywords | メタン部分酸化 / ホルムアルデヒド / モリブド珪酸触媒 / 触媒担持状態 / 単分子分散 / 酸化モリブデン / シリカ担体 / 過剰水蒸気 |
Research Abstract |
シリカ担持モリブド珪酸(SMA)触媒は、水蒸気過剰雰囲気下でメタンの部分酸化に優れた触媒活性を発現する。雰囲気中に存在する過剰水蒸気の役割は、次式の逆反応にしたがい、SMAの熱分解で生成した酸化モリブデン(MoO_3)とシリカ(SiO_2)から、SMAそのものを再生することにある(H_4SiMo_<12>O_<40>=SiO_2+12MoO_3+2H_2O)。このようにSMAはメタンの部分酸化を促進する触媒活性種であるが、高温では分解と再生の微妙なバランスの上に存在するため、触媒活性の再現性を確保することは容易でない。本研究では再現性を確保するため、昨年度に続いて以下の事項について検討した。 (1)シリカ担体上におけるSMAの担持状態 シリカ担持SMA触媒が高活性を発現する時は、SMAの担持量が増加するとともに活性も増加する。このことはシリカ担体上のSMAは担持量によらず、いつも同じ状態(おそらく単分子状態)で担持されていることを示唆している。一方、高活性を示さない触媒においてはSMAの担持量が5〜10wt%を超えると、触媒活性が著しく低下することを見出した。したがって、再現性良く高活性を発現するためにはシリカ担体表面にSMAを単分子状で担持すれば良い、ということになる。どのようにすればSMAを単分子状で担持することができるか、残念ながらその調製方法を確立するには至っていない。 (2)加圧下におけるSMA再生の促進効果 水蒸気存在下におけるSMAの再生反応は、熱力学的には加圧条件の方が有利である。そこで、高活性を示さなかった触媒を用い、加圧条件下でメタンの部分酸化を行ってメタン転化率やホルムアルデヒドの収率改善を試みた。しかし、実際にはメタン転化率は増加せず、ホルムアルデヒドの収率改善を試みた。しかし、実際にはメタン転化率は増加せず、ホルムアルデヒド収率にも改善が見られなかった。
|