2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13127201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越 光男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20133085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸野倉 賢一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00260034)
三好 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60229903)
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Keywords | 水素燃焼 / 連鎖反応 / 再結合反応 / 第3体効果 / 衝撃波管 / 着火誘導時間 |
Research Abstract |
水素を含むほとんどの炭化水素燃料の燃焼系において、連鎖停止反応として最も重要な素反応はH+O_2+M=HO_2+Mであるが、この反応は3分子反応であり、その速度定数は第3体Mの種類と濃度に依存する。従って効率のよい第三体の添加により連鎖停止反応を加速することができれば、これにより燃焼限界、着火遅れ時間などが制御できる。 本年度は主としてH+O_2+M=HO_2+Mの第三体効果について検討した。衝撃波管を用いた実験を行い、燃焼系で重要ないくつかの化学種を第3体とした場合の反応速度定数を求めた。 M=ArとN_2に対する速度定数は多くの研究者によって測定されている。我々のM=Arに対する測定結果は、最近報告された値とよく一致している。M=CO_2の第三体効率はH_2Oの効率とほぼ等しい結果になっている。H_2OおよびCO_2がなぜこのような高い第三体効率を示すのかは化学反応論的に興味深い課題である。近年の量子化学計算の結果によれば、HO_2はH_2Oと安定な付加化合物を生成する。このような中間体の生成により、HO_2とH_2Oの間のエネルギー移動速度が加速され、これによりHO_2の安定化が促進される可能性がある。 これまでの研究で、最も重要と考えられるH+O_2+Mの第三体効率がM=Ar,O_2,N_2,H_2O,CO_2について評価できた。その結果、H_2OとCO_2が特に高い第三体効率を示すことが明らかになり、H_2OあるいはCO_2の添加により着火タイミング制御が出来る可能性が示された。
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