2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13128202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩谷 光彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60187333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 秀一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10322538)
田中 健太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40281589)
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Keywords | 人工DNA / 金属錯体 / 自己集積 / ヌクレオシド / オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
近年、レドックス金属錯体を用いる電子移動触媒系の開発や、生体内の電子伝達システムの解明が進むにつれ、レドックス活性な金属イオンの空間配列制御が、新物質・新機能を創出するための重要な戦略であることが広く認識されるようになった。生体高分子に見られる、構造・機能ユニット→一次構造→高次構造→分子機能を結ぶ構造活性・機能構築の法則性に注目して、金属錯体型人工DNAを用いた超分子レドックス系の構築法を考案した。DNAは遺伝情報を司る生体高分子であるが、我々はその分子構造を基に新しい機能性分子を創製する研究を行った。核酸塩基を金属配位子に置き換えた人工DNAを化学的に合成し、これを利用して、金属イオンをトリガーとした、二重らせんや三重らせんなどDNAの高次構造の制御を行った。また、この人工DNAは、二重らせんの中心に、「数」と「順序」を制御して金属イオンを配列化する場として優れている。例えば、人工DNAの中心に、磁性を持つ銅イオンを思い通りに1〜5個、一次元的に並べることができた。二重らせん構造の中で銅イオンは平面四配位型をとり、銅-銅間約3.7オングストロームの距離でスタッキングしている。また、銅イオン間には強磁性的な相互作用がみられ、銅イオンの数に応じてスピン量子数が系統的に変化した。これまでの金属イオンの一次元集積化の方法はほとんどが結晶化を基本としていたため、金属イオンの数や、複雑な配列構造を制御することは困難であった。我々は、金属錯体型人工DNA中で、定まった数の金属イオンを思い通りに並べることに成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Tasaka, K.Tanaka, M.Shiro, M.Shionoya: "Toward Nano-Assembly of Metals through Engineered DNAs"Supramolecular chemistry. 13. 255-261 (2002)
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[Publications] K.Tanaka, Y.Yamada, M.Shionoya: "Formation of Silver(1)-Mediated DNA Duplex and Triplex through an Alternative Base Pair of Pyridine Nucleobases"Journal of the American chemical society. 124. 8802-8803 (2002)
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[Publications] S.Aketani, K.Tanaka, K.Yamamoto, A.Ishihama, H.Cao, A.Tengeiji, S.Hiraoka, M.Shiro, M.Shionoya: "Suntheses and Structure-Activity Relationships of Nonnatural β-C-Nucleoside 5'-Triphosphates Bearing an Aromatic Nucleobase with Phenolic Hydroxy Groups : Inhibitory Activities against DNA Polymerases"Journal of medicinal chemistry. 45. 5594-5603 (2002)
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[Publications] K.Tanaka, A.Tengeiji, T.Kato, N.Toyama, M.Shiro, M.Shionoya: "Efficient Incorporation of A Copper Hydroxypyridone Base Pair in DNA"Journal of the American chemical society. 124. 12494-12498 (2002)
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[Publications] K.Tanaka, A.Tengeiji, T.Kato, N.Toyama, M.Shionoya: "A Discrete Self-Assembled Metal Array in Artificial DNA"Science. 299. 1212-1213 (2003)