2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラフ集合に基づくアクティブマイニングによる診療情報生成システムの開発
Project/Area Number |
13131208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
津本 周作 島根医科大学, 医学部, 教授 (10251555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 章二 島根医科大学, 医学部, 助手 (60333506)
柳樂 真佐実 島根医科大学, 医学部, 助手 (30304273)
高林 克日己 千葉大学, 附属病院・医療情報部, 助教授 (90188079)
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Keywords | 機械学習 / 計算機システム / 人工知能 / 情報工学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究課題は、ラフ集合に基づくあいまいな知識の取り使い方法を利用、専門医のあいまいな知識を定量的に取り扱えるようにして、専門家の知識との相互作用から知識の発掘の促進および医療現場に有用な診療情報の生成を目的としている。特に、本年度は共通データが時系列データであることに着目し、時系列データからの診療情報生成に関する基礎的技術の開発を行った。その成果は以下のとおりである。 1)多重スケールマッチングによる時系列データのための類似度算出法の開発 病院情報システムに蓄積されている時系列データは、検査日の不定期性、未検査項目の存在等の要因から欠損値を含む不均質なものとなる。このようなデータにおいては、連続したデータが存在する場合にはより詳細な特徴を、存在しない場合にはより大局的な特徴をもとに比較を行う必要がある。本研究では、多重スケールマッチングを用いてデータの平滑化、変曲点を単位とするセグメント化およびセグメント単位のマッチングを行い、これをもとにデータ間の類似度を算出する方法を開発した。 2)ラフクラスタリングによる系列データのクラスタリング法の開発 1)により算出されるデータ間類似度は原点を持たない相対的類似度となる。このように対象間の類似度が相対的類似度として与えられる場合、クラスタ内の分散、重心等を定義することが困難で、クラスタとしてのまとまりを評価することは容易ではない。ラフクラスタリングは、ラフ集合論の識別不能性の概念に基づくクラスタリング法であり、対象のまとまり具合を識別不能度として表現することで、相対的類似度で表現されたデータにおいても可読性の高いクラスタを生成することができる。本年度は、ラフクラスタリングの開発と数値データにおける基礎評価実験を行った後、共通データを含めた病院情報システムのデータの一部に適用し、良好な結果を得た。
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[Publications] 津本 周作: "医学における知識発見手法の可能性(特集:データマイニングコンテスト)"情報処理. 42. 472-477 (2001)
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[Publications] 津本 周作: "ラフ集合論の現状と課題(特集:ラフ集合の理論と応用)"日本ファジィ学会誌. 13. 552-561 (2001)
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[Publications] S.Tsumoto: "Mining Positive and Negative Knowledge in Clinical Databases : Based on Rough Set Model"Proceedings of the Fifth European Conference on Principles of Knowledge Discovery in Databases (PKDD-2001). 460-471 (2001)
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[Publications] S.Tsumoto: "Discovery of Temporal Knowledge in Medical Time-Series Databases Using Moving Average, Multiscale Matching, and Rule Induction"Proceedings of the Fifth European Conference on Principles of Knowledge Discovery in Databases (PKDD-2001). 448-459 (2001)
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[Publications] S.Hirano, S.Tsumoto: "Analysis of Time-Series Medical Databases Using Multiscale Structure Matching and Rough Sets-Based Clustering Technique"Proceedings of the 2001 IEEE International Conference on Fuzzy Systems. 1547-1550 (2001)
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[Publications] S.Hirano, S.Tsumoto: "Indiscernibility Degree of Objects for Evaluating Simplicity of Knowledge in the Clustering Procedure"Proceedings of the 2001 IEEE International Conference on Data Mining. 211-217 (2001)