2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13132207
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大矢 裕一 関西大学, 工学部, 助教授 (10213886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山名 一成 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70192408)
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Keywords | デオキシリボ核酸 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 分子組織体 / 人工光合成 / 自己組織化 / フェムト秒レーザー / 光捕集アンテナ / 相補的水素結合 |
Research Abstract |
ドナークロモフォアとして,チミン塩基結合フルオレセイン(T(F))を用い,複数のドナークロモフォアを導入したマルチドナークロモフォア・アレイとしてT(F)を1から5個導入したシステムを構築した。その光エネルギー捕集能を評価するために,5'末端にヘキサクロロフルオレセイン(Hex)を導入したコンジュゲート(1H1)と混合してエネルギー移動システムを構築し,励起スペクトル測定を行った。T(F)の吸収波長496nmにおいて,T(F)からHexへのエネルギー移動に由来する蛍光強度の増加が観測できた。その増加量はドナーの数が増えるほど大きくなり,複数のドナーによって効果的に光エネルギーの捕集が起きていることが示唆された。ドナーからアクセプターへのエネルギー移動は,各フルオレセインからの直接的なエネルギー移動に加えて,遠方のフルオレセインからのエネルギーマイグレーションを介したエネルギー輸送が起こっていると考えられる。 一方,ドナークロモフォアとしてクマリン(C),アクセプタークロモフォアとしてTAMRA(T)を選択し,DNAの両末端にこれらを導入したコンジュゲートを合成した。その相補鎖にメディエーターであるフルオレセイン(F)の位置を変えて導入した3種類のコンジュゲートを合成した。CTコンジュゲートとFコンジュゲートをリン酸バッファー中で混合することでクロモフォアの空間配置が異なる3種類のクロモフォア・アレイを構築した。フルオレセイン導入部位が異なる3種類のCFTクロモフォア・アレイのエネルギー移動現象について検討するため,蛍光スペクトル測定を行った結果,ドナーの消光とアクセプターの発光強度の増加から,エネルギー移動が起きているこが確認できた。
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Research Products
(5 results)