2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13133202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10240350)
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Keywords | スマートメンブレン / 分子キャビティー / メゾフェイズ / シンジオタクチックポリスチレン / コンプレックス / 溶媒抽出法 / 収着 / 分離性能 |
Research Abstract |
立体規則性高分子には、ある化合物を包摂してコンプレックス結晶化するものがある。このコンプレックス結晶からゲスト分子を取り除いて調製されるメゾフェイズ構造には、分子サイズでかつ規則正しい微小空隙、いわゆる「分子キャビティー」の存在が期待され、スマートメンブレンの設計指針となり得る。本年度は、シンジオタクチックポリスチレン(sPS)を用い、(1)メゾフェイズ含有sPS膜の調製方法、(2)sPSのコンプレックス形成能、(3)sPSのコンプレックスにおけるゲスト分子の交換挙動、などの検討を通じ、分離性能評価を行った。コンプレックス結晶含有sPSキャスト膜からゲスト分子を適当な溶媒で抽出する方法を検討した結果、アセトンでゲスト分子を抽出し、続いて残存アセトンをメタノールで抽出するという、二段階抽出法がメゾフェイズ構造の調製に有効であった。即ち、この方法で調製された膜試料に対し、(1)ゲスト分子の完全除去、(2)sPSのコンホメーション保持、(3)気体収着量の顕著な増加、などが確認され、メゾフェイズ形成の確証を得た。得られたメゾフェイズ含有sPS膜の有機蒸気収着実験を行ったところ、収着蒸気や調製時に用いた溶媒の種類でその収着量は変化した。キシレン異性体(p/m)混合溶媒を用いてキャスト製膜した結果、p-キシレンの方が多く取り込まれていた。また、キシレン異性体それぞれのコンプレックス形成機構にも違いが見られた。パーベーパレーション(浸透気化)実験を行った結果、ベンゼンやトルエンは透過するものの、メタノールはほとんど透過しなかった。コンプレックス結晶、即ちゲスト溶媒分子を含むsPSキャスト膜を別の溶媒に浸漬し、交換挙動を検討した結果、用いたどの浸漬溶媒とも交換し得たが、ベンゼンとの交換は他より速かった。ベンゼンを含む混合溶媒に浸漬した場合、ベンゼンの影響による交換速度の増加がみられるが、最終的にはベンゼンは少量しか取り込まれなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yusuke Yamamoto, Devaraj Amutharani, M.Sivakumar, Yoshiharu Tsujita, Hiroaki Yoshimizu: "Study oh Complexing Behavior of Syndiotactic Polystyrene-aromatic Hydrocarbon System"Desalination. 14x(in press). (2002)
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[Publications] Atsushi Saitoh, Devaraj Amutharani, Yusuke Yamamoto, Yoshiharu Tsujita, Hiroaki Yoshimizu: "Evaluation of thermal stability of syndiotactic poIystyrene/toluene complex by spectroscopic analysis"Desalination. 14x(in press). (2002)
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[Publications] D.Amutharani, Y.Yamamoto, A.Saito, M.Sivakumar, H.Yoshimizu, T.Kinoshita, Y.Tsujita: "Structure and Properties of the Mesophase of Syndiotactic Polystyrene PartI: Effect of Casting Condition on Preparation of the Mesophase"J. Polym. Sci., Part B : Polym. Phys.. 40(in press). (2002)
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[Publications] M.Sivakumar, Y.Yamamoto, D.Amutharani, Y.Tsujita, H.Yoshimizu, T.Kinoshita: "Study on d-form Complex in Syndiotactic Polystyrene-Organic Molecules System : I. Preferential Complexation of Xylene Isomers"Macromol. Rapid. Commun.. 23. 77-79 (2002)
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[Publications] 鈴木俊輔, 山本裕輔, 辻田義治, 吉水広明: "シンジオタクチックポリスチレンコンプレックス中のゲスト分子交換挙動の解析"高分子学会予稿集. 51(印刷中). (2002)
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[Publications] 毛利沙江子, D.Amutharani, 山本裕輔, 辻田義治, 吉水広明: "メゾフェイズ含有シンジオタクチックポリスチレンの選択収着能"高分子学会予稿集. 51(印刷中). (2002)