2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13133204
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
讃井 浩平 上智大学, 理工学部, 教授 (30053664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 亜紺 成蹊大学, 工学部, 教授 (30189766)
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (10245798)
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Keywords | スマートメンブレン / 光学分割 / 固定化DNA膜 / 細胞分離多孔膜 / 高プロトン伝導膜 / シークウエンシャル高分子薄膜 / 燃料電池 / 環状イミド |
Research Abstract |
本年度は下記の2つのテーマについて研究した。 1.光学活性基を有するスマートメンブレンの創成と光学分割の評価 (1)固定化DNA膜の調製と生理活性物質の光学分割 1)固定化DNAセルロース膜を用いた光学分割実験:固定化DNAセルロース膜を調製して様々なトリプトファンの光学分割実験を行った結果、孔径の大きなセルロース膜を用いて調製された固定化DNA膜(MW=10,000)では、小孔径膜とは逆に、D-体を優先的に透過した。 2)固定化DNAキトサン膜の調製とその光学分割:DNA固定化量を増大させるために、アミノ基を有するキトサン膜にDNAを固定化した。この膜では白金錯体導入膜におけるPtの含有率はセルロース膜系の13倍以上、またDNA固定化におけるPの含有率は4倍以上多いことからキトサン膜に固定化されたDNA量が多いことが確認された。膜孔径の大きいDNA固定化キトサン膜を用いたフェニルアラニンの光学分割では、L-体を優先的に透過することが明らかとなった。 (2)細胞分離多孔膜を用いた血液からの血球分離 1)表面修飾ポリウレタン(PU)発泡体膜を用いた造血幹細胞の膜透過:各官能基導入PU発泡体膜に末梢血を透過させて、CD34^+造血幹細胞の膜透過率を検討したところ、いずれの官能基導入PU膜でも、ほぼ完全に捕集されていた。 2)高分子膜による間葉系幹細胞の分離:様々な表面修飾を行った高分子多孔膜(12μm)において間葉系幹細胞KUSA-A1(骨芽前駆細胞)並びにH-123(脂肪前駆細胞)を高純度で分離するには、シンプルな膜孔構造を持つNylon Net Filter膜が最適であった。 2.新規スマートメンブレンの創成とその機能評価 (1)シークウエンシャル高分子薄膜(SAM)の構築 ジアセチレン基を有する縮合系SAMを作製し、γ線照射により新規架橋膜を得ることに成功した。 (2)新規高プロトン伝導性膜の開発 プロトン輸送のポイントとなる膜中の水クラスター構造の解析を小角X線散乱法により解析した結果、Nafion膜が明確なイオンクラスター構造を有するのに対し、ブタンスルホン化ポリベンゾイミダゾール(PBI-BS)膜では、水分子が膜全体に分散していることを明かにした。 (3)環状イミドの合成とその構造解析 ポリアミド酸の希薄溶液(1wt%)から7量体以下の環状イミド混合物が得られることが明かとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 柳町聡美他3名: "Synthetic and evaluation of phosphonated poly(4-phenoxy benzovl-1,4-phenylene)"Synthetic Metals. 135,136. 69-70 (2003)
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[Publications] 樋口亜紺他6名: "Production of interferon-β by fibroblast cells on membranes prepared with RGD-containing peptides"J.Biomed.Mater.Res.. 65A(3). 369-378 (2003)
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[Publications] 樋口亜紺他7名: "Serum protein and platelet adsorption on pluronic-coated polysulfone membranes"Biomaterials. 24(19). 3235-3245 (2003)
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[Publications] M.Hara 他5名: "Production of interferon-β by NB1-RGB cells cultured on peptide-lipid membranes"Cytotechnology. 42. 13-20 (2003)
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[Publications] 樋口亜紺他7名: "Chiral separation of phenylalanine by ultrafiltration through immobilized DNA membranes"J.Membran Sci.. 221(1-2). 207-218 (2003)
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[Publications] 西脇裕子他3名: "Frabrication of polymeric thin films by a self-assembly method"Synthetic Metals. 137. 931-932 (2003)
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[Publications] 陸川政弘他: "固体高分子形燃料電池のすべて"エヌ・ティー・エス. 482 (2003)