2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13134203
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
辰巳 敬 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30101108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 英昭 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (20230716)
|
Keywords | DMFC / メソポーラス炭素 / 石油ピッチ / 黒鉛構造 / 白金担持 |
Research Abstract |
DMFC高性能化における最も重要な基礎的な問題として、炭素剤-白金微粒子-電解質相互の構造制御がある。これはメソ領域の構造化学であるが、最近合成が可能となった構造規則性メソポーラス炭素を用いると、この問題の解決へ大きく前進できる可能性がある。本年は電気伝導度の高いメソポーラス炭素の合成を試みた。型剤にSBA-15を用い、炭素の前駆体として石油ピッチを利用してメソポーラス炭素を合成したところ、X線回折においてCMK-3同様の2次元ヘキサゴナル構造を示すパターンが得られた。また黒鉛構造の(002),(101)面に帰属されるピークの強度は、ショ糖を前駆体としたメソポーラス炭素より明らかに大きかった。ラマン散乱でもG bandに対するD bandの相対強度が減少しており、骨格の黒鉛構造が発達していることが確認された。なお細孔径、表面積はショ糖から合成されるCMK-3と比べ際立った差は見出せなかった。なお処理温度により黒鉛化が進行するかどうかの実験を、MCM-48を型剤、ショ糖を前駆体として合成したCMK-1で行った。型剤のシリカを除去した後、アルゴン中での1100℃、1400℃の熱処理では顕著な結晶化は見られず、それ以上の温度ではメソ構造が崩壊した。型剤除去前では1350℃以上で炭化ケイ素が生成するため、熱処理によるメソポーラス炭素の骨格結晶化は困難であると結論される。ただしこの熱処理により表面官能量が減少することがサイクリックボルタモグラムにより確認された。白金粒子担持後の透過電顕写真において、900℃処理のみでは粒子が細孔内、外表面に分布しているの対し、1400℃処理では外表面のみに存在することが観察された。
|
Research Products
(1 results)