2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノおよびミクロ構造制御による新規イオン伝導膜の創製
Project/Area Number |
13134204
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金村 聖志 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (30169552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 聖一 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50226578)
門間 聰之 早稲田大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10277840)
山口 猛央 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30272363)
濱上 寿一 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (30285100)
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Keywords | 燃料電池 / メタノール燃料電池 / 三次元規則配列多孔体 / シリカ / 表面修飾 / コンポジット電解質 / ポリエーテル系高分子電解質 / 電気泳動 |
Research Abstract |
直接メタノール型燃料電池はエネルギー密度が高く、また液体の燃料を使用できる点で水素を燃料とする電池よりは有利である。しかし、高分子固体電解質を用いた場合、燃料であるメタノールが膜を透過し酸素極側に透過することが問題となっている。そこで、本研究ではセラミックスであるシリカを用いて均一で連通した孔を有する膜を膜を作製し、その孔内にプロトン伝導性高分子を充填することによりコンポジット電解質を作製メタノールを透過を抑制することを目的として研究を行っている。本年度は、膜の機械的な強度の改良を行い、実用に耐える多孔体の作製に成功した。また、この膜を使用して作製したコンポジット電解質膜のメタノール透過性が通常の高分子電解質の10分の1以下になっていることを明らかにした。しかし、イオン伝導性が他の電解質に比較して小さく問題であることが分かった。この点を解決するために、2種類の新規プロトン伝導性ポリマーを使用することを検討した。その結果、ポリエーテル系ポリマーが非常に高いイオン伝導性を示すことが分かった。しかし、多孔体への充填方法に問題があり、次年度の検討課題となった。一方、シリカ多孔体内部の孔側壁をスルホン化することを行った。シランカップリング試薬を利用して、シリカ表面の水酸基を利用してスルホン酸基を側壁に導入できることが分かった。イオン伝導性を評価した結果、側壁をスルホン化していないものに比較して非常に高いイオン伝導性を示すことを明らかにした。今後、側壁にプロトン伝導性を付与した電解質膜を用いてコンポジット化した膜のメタノール透過性および電極・電解質接合体の作製を行う。電極・電解質接合体の作製について別途電気泳動法を用いて検討を行った。通常使用される高分子膜を用いて水素・酸素燃料電池を構成して試験を行った結果、これまでに報告さている結果の中では、飛びぬけて優れた性能を有することが分かった。今後、今方法を利用しコンポジット電解質膜を用いた電極・電解質接合体を作製する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kiyoshi Kanamura, et al.: "Observation of Interface between Pt Electrode and Nafion【○!R】 Membrane"Journal of Electrochemical Society. 150・2. 222-555 (2003)
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[Publications] Takeo Yamaguchi, et al.: "Polymer electrolyte membranes with pore-filling structure for a direct methanol fuel cell"Advanced Materials. 15・14. 1198-1201 (2003)
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[Publications] 金村 聖志: "ダイレクトメタノール電池の現状と今後の展開"粉砕. 47. 65-94 (2003)
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[Publications] 金村 聖志: "燃料電池および各種部材における最先端開発技術と信頼性評価・第5章 燃料電池用電極触媒の調整と問題点およびその対策"技術情報協会. (2003)