2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二宮 正夫 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40198536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 和男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30013436)
米谷 民明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10091521)
川合 光 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80211176)
東島 清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10092313)
岩崎 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50027348)
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Keywords | 超弦理論 / 弦の場の理論 / 場の理論 / 超弦の行列模型 / カイラル対称性 / 格子QCD / 非摂動的方法 |
Research Abstract |
電磁、弱・強の相互作用および重力を含む素粒子の4つの基本相互作用とあらゆる素粒子を統一的に記述する統一理論の唯一の候補が超弦理論と信じられ、精力的に研究されてきた。しかしこの理論を摂動論的に定式化すると、無限個の真空が存在し、その各々に対応するモデルを構成出来る。そのため、本当の真空にもとづく唯一のモデルを見出すことは出来ない。そこで近年、超弦理論の非摂動的定式化が行われてきた。一方、これまでの超弦理論は第一量子化の理論として定式化が行われているため、超弦の生成・消滅を含む物理過程を系統的に計算することができないという欠点を有する。このような欠点の無い理論を作るには、超弦の第2量子化を実行し超弦の場の理論を構築することが必要である。当研究代表者(二宮)はH.B.Nielsen氏と共同で超弦の場の理論を構成する研究を行ってきた。超弦の場の理論の構成にはすでに数グループ(Kaku-Kikkawa,、HIKKO、Witten等)が各々モデルを提唱し、一定の成果を得ているが未だ完成の域に達していない。二宮とNielsenは、基本構成要素として超弦のright-movingとleft-movingのモードを選び、超弦の場の理論を構成しその性質を詳しく分析した。また、二宮は、研究分担者の川合と共同で、2003年春に公表されたWMAP衛星の驚くべき良い精度のデータ(例:宇宙年令は137±2億年)に刺激され、超弦の基本事項だけに基づく宇宙誕生の新しい理論「サイクリック・ユニバース理論」を構成し、詳しい物理的研究を行っている。研究分担者の川合は、自ら提唱した超弦のIIB行列模型を詳しく解析し、時空の4次元性等の性質を分析した。また、Lange N Reduced模型による超弦の非摂動的構成を進めた。米谷はpp Waveの背景場中の超弦理論をホログラフィー原理を用いて非摂動的に定式化した。藤川は、スーパー空間上の量子異常項を経路積分から導出することに成功した。岩崎は、格子ゲージ理論のシミュレーション専用の大型専用コンピューターを用いてハドロンの様々な性質を明らかにした。特に陽子崩壊の数値的予言は注目される。本総括班は日本で初めて開催された国際会議Strings2003をサポートし、更にLocalOrganizationCommitteeの委員長を務めるなど重要な貢献をした。また多数の中小国際会議国内研究集会をポートし各班のメンバーが主要な役割を果たした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 二宮正夫, 川合光, 福間将文: "LIMITING TEMPERATURE, LIMITING CURVATURE AND THE CYCLIC UNIVERSE"Int.Nat.Jour.Mod.PHys.A. (印刷中). (2004)
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[Publications] 二宮正夫, H.B.Nielsen, 羽原由修: "Boson Sea Versus Dirac Sea : General Formulation of Boson Sea Through Supersymmetry"HEP-TH. 0312. 302 (2003)
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[Publications] 川合光, 黒木常英, 森田猛: "D I JKGRAAF-VAFA THEORY AS LARGE N REDUCTION"Nucl.Phys.B. 664. 185-212 (2003)
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[Publications] 川合光, 河本祥一, 他2名: "IMPROVED PERTURVATION THEORY AND FORU-DIMENSIONAL SPACE-TIME IN II B MATRIX MODEL"Prog.Theor.Phys.. 109. 115-132 (2003)
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[Publications] 米谷民明 他2名: "HOLOGRAPHIC REFORMULATION OF STRING THEORY ON ADS(5)XS^<**>5 BACK GROUND IN THE PP WAVE LIMIT"Nucl.Phys.B. 665. 94-128 (2003)
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[Publications] 藤川和男, P.Van Nieuwenhuizen: "TOPOLOGICAL ANOMALIES FROM THE PATH INTEGRAL MEASURE IN SUPERSPACE"Annals Phys.. 308. 78-114 (2003)
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[Publications] 岩崎洋一 他 JLQCD Collaborations: "CONTINUUM LIMIT OF PROTON DECAY MATRIX ELEMENTS IN QUENCHED LATTICE QCD"21^<st> International Symposium on Lattice Field Theory (LATTICE2003),Tsukuba, Ibaraki, Japan 15-19 Jul 2003. (印刷中). (2004)