2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲージ場の理論の非摂動論的理解への解析的アプローチ
Project/Area Number |
13135203
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤原 高徳 茨城大学, 理学部, 教授 (50183596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 慶一 千葉大学, 理学部, 教授 (60183042)
菊川 芳夫 東京大学, 大学院・広域文化研究科, 助教授 (20252421)
鈴木 博 独立行政法人理化学研究所, 川合理論物理学研究室, 先任研究員 (90250977)
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Keywords | gauge field / lattice gauge theory / chiral anomaly / Dirac operator / lattice fermion / magnetic monopole / exact solution / index theorem |
Research Abstract |
位相的な構造を持つゲージ場と相互作用する0質量ディラックにはカイラルな0固有値解を持つことが知られており,それが理論の様々な非摂動的振る舞いに関係すると考えられている.ゲージ場は量子化された位相電荷により離散的なセクターに分類され,特にゲージ場の強さが一様なトーラス上のディラック演算子の固有値問題が完全に解くことができる.波動関数はトーラスの周期に対応する座標の並進の下で周期的にならず,背景場に応じて定まるゲージ変換で記述される因子をともなう周期性を満たす.こうした周期性は,トーラスの幾何学的性質を利用し,座標を適切に取り直すことで簡約できる.このことに着目し,最も一般的な一様磁場の場合にディラック演算子の固有値問題について研究した.その結果,与えられたゲージ場の配位に対してゼロ固有値解を系統的に構成する方法を明らかにした.ディラック演算子は位相電荷の正負に対応していずれか一方のカイラル・ゼロモードがアティヤーシンガーの指数定理で記述される数だけ現れる.固有値の縮退は0固有値に限らず,すべての固有値が同じ多重度で縮退している.こうした固有値の縮退は,一様磁場に浸された系が持つ離散的な並進対称性に着目することで理解される. 格子ゲージ理論のアプローチでは,カイラル・フェルミオンと重力場との相互作用を研究した.格子上の重力理論を局所ローレンツ対称性をゲージ化することで導入し,ギンスパーク-ウイルソン関係を満たすオーバーラップ演算子を与え,連続極限でカイラル・アノマリーが正しく再現されることを示した.
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Research Products
(9 results)