2002 Fiscal Year Annual Research Report
数値的手法にもとづいたゲージ理論の非摂動的効果の解明
Project/Area Number |
13135210
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 恒雄 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60019502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 日出雄 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (00107012)
久保 冶輔 金沢大学, 理学部, 教授 (40211213)
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Keywords | monopole / color confinement / Lattice QCD / dual Ginzburg-Landau theory / finite-temperature phase transition / 繰り込み群 / Kugo-Ojima confinement condition |
Research Abstract |
鈴木は、Nf=2のclover fermion作用のfull QCDで、格子上でのMonte Carlo Simulationを用いて有限温度相転移を研究した。今年度は主として16^3X8の格子で計算を行った。さまざまなパラメーターのデータを調べて、相転移温度を決定し、別の作用で他のグループで得られた結果と同じラインにあることを見つけた。さらに、重いクォーク間のポテンシャルを測定し閉じ込め相でのスクリーニングを調べた。その結果、弦定数の相転移温度近傍での振る舞いが、quench近似に比べて緩やかであることを見つけた。また、3本のポリアコフループを導入して、3対のクォークが存在しているときのポテンシャルや、電場分布、モノポール磁流の分布を調べ、いわゆるY型の分布であることを確かめた。 久保は余分な次元(5次元目)が小さな円にコンパクト化されているSU(2)ゲージ理論を格子上で定式化し、Monte Carlo simutationを使って、スタティクなクォーク間のポテンシャルやストリングテンションを計算した。そして、円の半径が十分に小さいと、ポテンシャルやストリングテンションはスケーリング則を満たしていることを見い出した。半径を小さくしていくとスケーリング則が変化し、5次元の理論がしだいに4次元的に振る舞っていることを示していることを見いだした。 中島は、ゲージ理論の非摂動的効果の主要問題であるQCDにおけるカラー閉じ込めの検証にLandau gauge格子QCD(SU(3))の数値シミュレーションにより取り組んだ。QCD連続場理論の九後・小嶋閉じ込め条件とGribov-Zwanziger理論の予想(赤外領域での伝播関数の非摂動的振る舞いとして、グルーオンがsuppressされゴーストがenhanceされること)は相互に密接に関係しており、$16^4$、$24^4$、$32^4$格子のシミュレーションで問題となるパラメータを測定した。連続極限への接近につれて、九後・小嶋条件は期待される値の約80%程度までの値が得られ、Gribov-Zwanziger理論予想の特異性の指数は定性的には予想への接近傾向を示しているがDyson-Schwinger法に依る結果に比し1/5程度の穏やかなものであった(Lattice 2002 発表)。Dyson-Schwinger法の近似は制御不能の側面が否めず連続極限のためのより大きな数値実験が期待される。
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[Publications] V.Bornyakov et al.: "The profile of the broken string in the confined and deconfined phase in full QCD"Nucl.Phys. B(Proc. Suppl.). (印刷中). (2003)
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[Publications] Shoichi Ito, Tae Woong Park, Tsuneo Suzuki: "Gauge Problem of Monopole Dynamics in SU(2) Lattice Gauge Theory"Rhys.Rev. D.. (印刷中). (2003)
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[Publications] K.S.Babu, T.Kobayashi, J.Kubo: "Finite Theories and the SUSY Flavor Problem"Phys.Rev. D.. (印刷中). (2003)
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[Publications] J.Kubo, M.Nunami: "Unrenormalizable Theories can be Renormalizable"Eur.Phys.J.. C26. 461-472 (2003)
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[Publications] H.Nakajima, S.Furui, A.Yamaguchi: "Numerical studies of confinement in the lattice Landau gauge"Nucl.Phys. B(Proc. Suppl.). 94. 558-561 (2001)
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[Publications] H.Nakajima, S.Furui: "Numerical studies of confinement in the Landau gauge by the larger lattice simulation"Nucl.Phys. B(Proc. Suppl.). (印刷中). (2003)