2005 Fiscal Year Annual Research Report
数値的手法にもとづいたゲージ理論の非摂動的効果の解明
Project/Area Number |
13135210
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 恒雄 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (60019502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 冶輔 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40211213)
中島 日出雄 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00107012)
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Keywords | モノポール / 量子色力学 / クォークの閉じ込め / ランダウゲージ / 高次元模型 / 超対称統一理論 |
Research Abstract |
鈴木は、高エネルギー研究所のSR8000共同利用計画及び理化学研究所の大型クラスター利用計画(共同研究員)、大阪大学核物理センター共同利用計画に採択され、以下の研究を実施した。1)O(a)improved clover fermion作用でのfull QCDの計算機シミュレーションを継続して行った。特に有限温度系の研究を引き続き重点的に行った。今年度は、引き続き24^3x10の格子でのデータをとった。目的は、カイラル極限とともに、連続極限を決めるためである。大変時間のかかる計算であるが、予備的な転移温度のカイラルおよび連続極限の値を求めた。2)理化学研究所のSX7ベクトル計算機でかなりの計算時間をもらえたので、精密実験としてQCDの閉じ込め機構に関して、双対マイスナー効果はゲージによらないかどうかの研究をはじめた。5000個の熱平衡の真空配位を用いて、格子での通常のモノポールが存在しないランダウゲージでも双対マイスナー効果が見られることを示した。さらに真空のタイプを詳細に決め、タイプ1と2の境界に近いことをMAゲージとランダウゲージで決めゲージに依存しないことを示した。 中島は、Unquenched Lattice Landau Gauge Simulationによるクォークプロパゲータの計算を、MILC collaborationのAsqtad actionを使って生成されたゲージ配位を用いて行った。ゲージ配位の生成に使われたAsqtad actionを用いた計算でBowman達のsimulation結果(hep-lat/0511077)とほぼ一致した結果が得られた。クォークの波動関数くりこみ係数は赤外領域でsuppressされ、クォークのdynamical massのカイラル極限の値は0.38GeV程度で,Alkofer達によるDyson-Shwinger方程式による解析(Phys. Rev. D70 014014(2004))とconsistentであった。 久保は、5次元が連続空間ではなく、離散的、つまり格子上にコンパクト化されていると5次元目に正多角形の対称性がごく自然に存在する。この正多角形の対称性がフレーバーの対称性になっていることを具体的に示し、素粒子の模型を構築した。フレーバー対称性は標準理論のフレーバーの構造を決めているだけではなく、標準理論が超対称化された場合に生ずるSUSYフレバー問題を解決する糸口になっている。このようなフレーバーの構造は陽子の崩壊モードにも反映されているので、実験的検証可能であるかを調査した。
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Research Products
(7 results)