2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135212
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上原 正三 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20168652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 昭五 静岡大学, 理学部, 教授 (10273161)
河合 俊哉 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (20293970)
粟田 英資 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40314059)
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Keywords | string theory / M-theory / topological field theory / Gromov-Witten invariant / Dijkgraaf-Vafa proposal / D-branes / Nekrasov's formula / Gopakumar-Vafa invariant |
Research Abstract |
本年度の研究実績概要は以下のとおりである。 M理論の定式化の研究では、その励起状態の一つである超膜を記述する11次の作用を用いて、そのうち空間方向2次元をトーラスへコンパクト化した状況をより具体的に考察した。これまでに、このようなコンパクト化によって、超膜のコンパクト空間へのラップの仕方によって、type IIB弦理論に含まれる基本弦とD弦の結合状態と思われている(P,q)-stringが表れることの議論はあったが、今回作用から具体的に導くことに成功した。さらに、行列正則化をおこなったMatrix theoryに於ても同様の手法によって(p, q)stringの行列版を導ける予想が経ち、(正則化された)M理論から直接(p, q)-stringモードを抜き出すことに成功した。 Ω背景上でのネクラソフの分配関数とDブレインのモジュライ空間の関係を、幾何的手法およびゴパクマ-ヴァファ不変量のアイデアを用いて考察した。N=2超対称ヤンミルズ理論に対するネクラソフの公式は、SU(2)_L×SU(2)_Rのスピン表現のキャラクターに分解できることを示した。更にマクドナルド関数をもちいて改良された位相的頂点作用素を構成を試みた。 Dijkgraaf-Vafaの行列模型を使ってカイラル物質場と相互作用したN=1超対象QCD理論の有効作用を研究をした。超楕円曲線の複素解析によってディスク・ファインマン図を正しく評価して有効作用を求める方法を確立した。また、4元数的ケーラー多様対を特徴付ける3重キリング・ポテンシャルと計量やリーマン曲率を結びつける新しい公式を発見した。 BPS状態に対するゼータ関数の類似を構成することを目標とし、特にF理論を3次元楕円Calabi-Yau多様体にコンパクト化した理論および混成弦理論を考察の対象とした。具体的な成果としては、当該楕円Calabi-Yau多様体のGromov-Witten不変量(の一部)に対して組織的に予想が立てられことと、物理的にはアノマリーとの関係が理解できたことがあげられる。また、混成弦理論との双対性において楕円コホモロジー、ヤコビ形式、ボーチャーズ積などの数学的概念が上手く取り込めることが分かって来た。
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Research Products
(3 results)