2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東島 清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10092313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
窪田 高弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80161678)
細谷 裕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50324744)
見目 正克 奈良女子大学, 理学部, 教授 (20107345)
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Keywords | 非摂動くりこみ群 / 超対称非線形シグマ模型 / オービフォールド / 細谷機構 / 量子計算 / Stiefel多様体 / AdS / CFT対応 / 3次元重力 |
Research Abstract |
東島は平成14年度に超対称非線形シグマ模型に対するくりこみ群方程式を導いたが、今年度はこの基礎方程式の固定点の構造を調べた。異常次元がない場合にくりこみ群の固定点となるための条件は多様体がリッチ平坦となることであるが、異常次元が存在する場合にはリッチ平坦で無い多様体が共形不変な固定点に相当する。この方程式を解く解くことにより、Wittenによって提唱されていた2次元ブラックホール解およびその高次元への拡張を得た。時空が3次元以上の場合には、非線形シグマ模型は摂動論ではくりこみ不可能であるが、非摂動くりこみ群の方法では少なくとも正曲率のケーラー・アイシュタイン多様体に値をとる超対称非線形模型はくりこみ可能であることが分かった。これは、非自明な紫外固定点が存在するため、その近傍で連続極限を取ることができるためである。 細谷はRamin G Daghighとともに、重力中では、内側が偽真空、外側は真の真空となるスカラー場の配位がフェルミオンがあると安定になることを示し、宇宙論的な帰結をしらべた。また、波場、川村とともに、オービフォルド上の大統一理論で、境界条件がどのように力学的に選ばれるか、エネルギーを評価することで決めた。S^1/Z_2上ではMSSMがでないことがわかった。 中原は量子計算を数値的に最適化することにより,目的とするゲートを実現する方法を開発した。またStiefel多様体のホロノミーによりゲートを実現するホロノミック量子計算で,いくつかの重要なゲートを構成するGrassmann多様体上のループの厳密解を求めた.ボース凝縮では重力場中におけるトポロジカルな渦の生成を解析した。 窪田はAdS/CFT対応における1/N^2補正を取り入れる理論的な枠組みとしてWheeler-DeWitt方程式が有効であることを指摘した。Weyl-annomalyに対する1/N^2補正を計算し、無限個のKaluza-Klein modeを全て考慮することによってAdS/CFT対応が成立していることを明らかにした。また超対称性の破れの機構のひとつであるanomaly-mediationにおいて、sleptonの質量の二乗が負になる問題を回避するひとつのシナリオを提唱した。従来のsuper-Weyl anomalyに加えてKaehler anomalyの寄与が非ゼロである場合を考案し実際に現象論的にも耐え得るモデルを提出した。 見目は3次元重力をADM定式化を用いて調べた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Kubota, T.Ueno, N.Yokoi: "Wheeler-DeWitt equation in AdS/CFT correspondence"Physics Letters B. 579巻. 200-204 (2004)
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[Publications] Kiyoshi Higashijima, Etsuko Itou: "A New Class of Conformal Field Theories with Anomalous Dimensions"Progress of Theoretical Physics. 109巻・5号. 751-764 (2003)
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[Publications] Kiyoshi Higashijima, Etsuko Itou: "Unitarity Bound of the Wave Function Renormalization Constant"Progress of Theoretical Physics. 110巻・1号. 107-114 (2003)
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[Publications] Ramin G.Daghigh, Yutaka Hosotani: "Gravitating Fermionic Lumps with a False Vacuum Core"Progress of Theoretical Physics. 110巻・6号. 1151-1168 (2003)
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[Publications] J.J.Vartiainen, A.O.Niskanen, Mikio Nakahara, M.M.Salomaa: "Acceleration of quantum algorithms using three-qubit gates"International Journal of Quantum Information. 2巻・1号(印刷中). (2004)
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[Publications] M.Kenmoku, S.Uchida, T.Matsuyama: "Conical Singular Solutions in (2+1)-dimensional Gravity employing the ADM Canonical Formalism"International Journal of Modern Physsics. D12. 677-687 (2003)
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[Publications] Mikio Nakahara: "Geometry, Topology and Physics (2nd ed)"IOP Publishing. 595 (2003)