2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柏 太郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (30128003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 恒司 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (00202268)
米山 博志 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50210795)
井町 昌弘 山形大学, 理学部, 教授 (70037208)
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Keywords | 補助場 / 南部-Jona-Lasinio模型 / 格子ゲージ理論 / インスタントン / とじ込め / 1 / Nc展開 / 有効場理論 / 3核子力 |
Research Abstract |
背景場として非可換ゲージ場を考え、それと結合している南部-Jona-Lasinio模型の解析を終え論文として発表した。その結果は、非可換ゲージ場は背景場がある場合でも、カイラル対称性の破れを強める方向に作用することが判り、一部の主張を退けた。また、補助場が南部-Jona-Lasinio模型の中で果たす役割を、より明確にするため、補助場の量子効果を採り入れた、ギャップ方程式を調べた。結果は、カイラル対称性の破れをより強くする方向に働くということが分かり、一部の主張-補助場の高次効果はカイラル対称性を回復する-を退けた。現在論文作成中である。さらに、補助場の有効性をより直接的ににチェックするため、解ける(自明な)場合である0次元、1次元系での4体フェルミ模型へ補助場を導入し、解析を進めている。一方、昨今の場の量子論の教科書の大部化に対して、一年で読み上げることを目標として、『演習場の量子論』を執筆した。(柏) トポロジカル項を含む$CP^{N-1}$模型の連続極限での性質を調べるために、固定点作用を用いた数値シミュレーションを行った。ここでは、トポロジカル項に起因する複素ボルツマン因子の問題を回避するため、トポロジカル電荷分布をフーリエ変換する方法を用いた。その結果、$CP^{3}$模型では、種々の物理量についてスケーリング則が成り立つが、$CP^{1}$模型ではスケーリングの破れが大きいという結果が得られた。また、トポロジカル電荷分布を詳しく分析することによりインスタントンの力学に関する有益な情報を得た。井町は学部学生向け教科書の執筆も行った。(井町、米山) 原子核を含むすべてハドロンの性質を、現象論的モデルに依らずにQCDのダイナミクスから何が言えるのかを整理するためには、『有効場の理論』が有用であるが、その普遍性から逆にあまりに一般的すぎる憾みがある。そこで、$1/N_c$展開をバリオンに適用し、核子と$\Delta$などの間に現れるスピン-フレーバー対称性$SU(2f)$を満たすものだけに限定したとき、有効場理論の最低次で3核子力としてどのようなものがあるのかを調べた。その結果、2核子力ではaccidentalな対称性としてWigner対称性が現れたが、それは3核子力においては破れていることを示した。現在論文として作成予定である。(原田)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masaru Ishi-i, Taro Kashiwa, Naoki Tanimura: "Effect of Dynamical SU(2) Gluons to the Gap Equation of Nambu-Jona-Lasinio Model in Constant Nonabelian Background Magnetic Field"Physical Review. D(掲載予定). (2002)
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[Publications] R.Burkhalter, M.Imachi, Y.Shinno, H.Yoneyama: "$CP^{N-1}$ Models with a θTerm and Fixed Point Action and Fixed Point Action"Progress of Theoretical Physics. 106・No.3. 613-640 (2001)
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[Publications] 柏 太郎: "演習 場の量子論-基礎から学びたい人のために-"サイエンス社. 183 (2001)
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[Publications] 井町昌弘, 内田伏一: "フーリエ解析"裳華房. 134 (2001)