2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13135218
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
表 實 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (00110510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥川 隆夫 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90245358)
岩崎 愛一 二松学舎大学, 国際政治経済学部, 教授 (90203356)
青木 健一郎 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00251603)
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Keywords | モヤル量子化 / ソリトン方程式 / 非可換ゼロ曲率方程式 / 非平衡系 / 宇宙項 / オービフォルド型真空 / ボーズ凝縮 / 多重レンズ効果 |
Research Abstract |
モヤル量子化のワイル対応では、関数と演算子の対応を考えることができるが、演算子はワイル順序に並んだものに対応する。量子論で用いられる、演算子の正規順のものとの比較を行い、無限大の定数倍を除き両者が等しいことを示した(論文1)。拘束系のモヤル量子化を議論し、スター積に拘束系の影響がどう現れるかを示した(論文2)。多くのソリトン方程式が非可換ゼロ曲率方程式から導けることを示した(論文3)。 非平衡系では平衡状態の場合とは物理量の振る舞いが異なる。そこで古典的格子系の非平衡な状態の振る舞いを調べ、その輸送に関する物理量、ミクロ的視点からの位相空間の次元の消失、などの物理量の振る舞いを明らかにした(論文4、5)。超対称性のない場合の弦理論の宇宙項の節動論的計算を行った。特にオービフォルド型真空での2ループ次の宇宙項への寄与を求め、現在論文を作成中である。 中性子と陽子の数が同じで質量数が2の倍数の原子核では、その励起状態として核の中でヘリウムの核を作り、それらの集まりとみなせる状態がある。そのクラスターのボーズ凝縮の可能性を場の理論を用いて解析した。凝縮状態の上に渦糸敵な励起状態の存在を探し、その質量・変形等を調べた。2層量子ホール状態におけるアイゼンシュタインの実験結果を、その状態にあらわれるスキルミオンの効果を考慮して解析し、ゼロ電圧でのトンネル伝導率が有限になること、および実験で示された横磁場に対するトンネル伝導率の振る舞いをよく説明できることを明らかにした(論文6)。 非一様宇宙における光の伝播を調べ、多数の銀河による多重重力レンズ効果の増光効果を表す係数が満たす微分方程式を求め、その連続極限を解析的に調べた。また同様の効果を数値シュミレーションで検証し、解析的な結果を数値的に検証し、現在論文を作成中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 肥川 隆夫: "Equivalence of Weyl Vacuum and Normal Ordered Vacuum in the Moyal Quantization"Prog.Theor.Phys.. 107巻・5号. 1061-1067 (2002)
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[Publications] 堀隆雪, 肥川隆夫, 牧拓哉: "Moyal Quantization for Constrained System"Prog.Theor.Phys.. 108巻・5号. 1123-1141 (2002)
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[Publications] 肥川 隆夫: "Soliton Equations by the Noncommutative Zero-Curvature Formulation"JHEP(conf.Proceedings). PRHEP nesn2002/021. 5 (2002)
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[Publications] K.Aoki, D.Kusnezov: "Violations of Local Equilibrium and Linear Response in classical Lattice Theories"素粒子論研究. 101. A98-A104 (2002)
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[Publications] Wm.G.Hoover, H.A.Posch, K.Aoki, D.Kusnezov: "Remarks on NonHamiltonian Statistical Mechanics : Lyapunov Exponents and Phase-Space Dimensionality Loss"Europhys.Lett.. 60. 337-341 (2002)
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[Publications] A.Iwazaki: "Skyrmion PseudoSkyrmion Transition in Bilayer Quantum Hall States at $\nu=1$"Phys.Rev.. B67. 153307-1-153307-4 (2002)
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[Publications] 亀淵 迪, 表 實: "量子力学特論"朝倉書店. 264 (2003)