2005 Fiscal Year Annual Research Report
弦理論におけるブラックホールと非摂動的定式化の研究
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13135220
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
藤崎 晴男 立教大学, 理学部, 教授 (20062648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 立教大学, 理学部, 教授 (60202173)
矢彦沢 茂明 立教大学, 理学部, 助教授 (00192790)
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Keywords | ブラックホール / ミクロカノニカル / 宇宙弦 / パートン生成 / 繰り込み群 / pp-wave / 双対性 / 行列模型 |
Research Abstract |
藤崎: 通常の4次元時空でのブラックホール多体系のミクロカノニカル・アンサンブル法は6次元トーラスにコンパクト化したSenヘテロティック弦理論型ブラックホール解にも適用可能であることを陽に示し、最も現実性の高いSenブラックホール分布は全系の質量、荷電、角運動量が1個のブラックホールに集中した非平衡状態であることを再確認し、ミクロカノニカル最大臨界温度の存在可能性を明らかにし、その物理的意味の定性的検討をした。また、引き続き、Einstein-Maxwell方程式のBonner双極子解を宇宙弦の導入により正則化し、Reisner-Nordstromブラックホール・ダブレットとしての熱力学を検討している。 田中: 今年度は、昨年度までに開発した分岐素過程の高次項を多パートン生成アルゴリズムを、Collinear singularityの任意の因子化処方に対応できるように拡張した。これにより、パートン分布関数の因子化処方依存性を再現することが可能となり、多パートン生成過程の理論的任意性を評価できるようになった。更に、具体例としてjet calculus処方についての計算を行い、繰り込み群方程式の解から得られた結果が再現されることを示した。また、「NLLパートンシャワー模型における因子化法」を日本物理学会2005年度秋季大会で発表した。 矢彦沢: pp-wave上の超弦理論とN=4超対称ゲージ理論との双対性は非常に重要なものであるが、pp-wave上での超弦理論の量子化は現在光円錐ゲージで行われている。そこで、量子化をさらに拡張し、共変的な共系ゲージでの量子化を推進した。今年度は、ボソン弦のpp-wave上での量子化を行い、特に、2階反対称背景場がある時と無い時を詳しく調べた。光円錐ゲージやCFT的手法との比較も行っている。現在までの結果は、テーマとして「pp-wave上の弦理論のBRST量子化」(知崎・矢彦沢)を日本物理学科2005年度秋季大会で発表した。スペクトルや相関関数の考察をさらに進めている。また、非臨界弦と行列模型の考察も行った。
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