2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13136201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80226092)
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (40314025)
齊藤 昭則 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (10311739)
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Keywords | 中間圏 / 熱圏 / 電離圏 / プラズマバブル / 伝搬性電離圏擾乱 / 電離圏不規則構造 / 大気光 / GPS |
Research Abstract |
1.平成18年6月および平成19年3月にインドネシア・コトタバンを訪問し、同地に設置してある全天大気光カメラ、GPS受信機システム、分光温度フォトメータ、VHFレーダー、磁力計のメンテナンスを行い、自動観測を継続した。また、鹿児島県佐多岬、北海道陸別町に設置してある分光温度フォトメータ、全天大気光カメラのメンテナンスを行い、自動観測を継続した。コトタバンの分光温度フォトメータは平成19年3月に観測を終了し、日本に持ち帰った。 2.平成18年4月及び11月にオーストラリア・ダーウィンを訪問し、同地に設置してある全天大気光カメラの修理と再設置を行い、自動観測を継続した。 3.これらのデータは以下のホームページで公開し、共同研究を推進している。 光学系データ:http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti/index.html GPSデータ:http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac./ear-toku/QL-S4/data.html 地磁気データ:http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/mm210/index.html VHFレーダーデータ:http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/vhfr/index.html 4.上記の機器群から得られるデータから以下のような成果が得られた。 (1)全天大気光カメラによって、赤道異常帯から高緯度に向けて熱圏を準周期的に移動する波動現染及び下部熱圏における特異な波動現票を見出した。いずれの波動とも下層大気からの大気重力波が原因であると考えられる。 (2)これまでの大気光長期観測データから大気重力波を抽出し、その波動が輸送する運動量を定量的に見積もった。その結果、この運動1氏の大きさが中間圏の風系を左右しうるほど大きいものであることを見いだした。 (3)2004年12月26日にスマトラ島西方沖で発生した巨大地震の直後に、スマトラ島とタイに設置されたGPS受信機で全電子数の変動が観測された。この変動は、地震による音波が地表から電離圏高度まで伝わったことが原因であると考えられる。 (4)GPS電離圏シンチレーション発生と雲頂温度や下部熱圏中性風との比較から、プラズマバブルの生成には下層から然圏に伝搬してくる大気波動(重力波、プラネタリー波)が重要な役割を果たすことが示唆された。 (5)GPS電離圏シンチレーション観測から、プラズマバブルの東西方向の移動速度に関する新たな知見が得られた。 (6)VHFレーダーによって、プラズマバブルとは出現特性が異なるF領域FAIを初めて観測した。
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Research Products
(5 results)