2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13136207
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長澤 親生 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (80145664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 泰邦 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (10305419)
阿保 真 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (20167951)
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Keywords | ライダー / リモートセンシング / 気候変動 / 超高層大気環境 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
本研究は、遠隔制御型大型高機能ライダーを開発し、インドネシアに設置することにより、赤道域での成層圏上部から下部熱圏までの鉛直温度構造と中間圏界面近傍の金属原子層の連続観測および、熱帯積雲対流活動などに重要な役割を担う水蒸気の鉛直分布の昼夜観測を行い、対流圏から熱圏下部までの大気上下結合や中間圏界面付近の複雑な力学・化学反応過程の理解に不可欠な観測情報を得ることを目的とする。特に中間圏界面付近の金属原子およびイオン層やその領域の温度を観測するライダーの光源である、高性能レーザーシステムの開発が重要な技術開発要素である。レーザーシステムは発振波長を金属原子・イオンの共鳴線に同調・維持する必要があるので、波長を各共鳴波長に正確にコントロールしたCWの光源(マスターレーザー)と、それを増幅・注入し高出カパルス化するスレーブレーザーから構成される。本年度は、前年度に行ったレーザーシステムの全体設計に基づき、主にスレーブレーザーの開発を行った。スレーブレーザーは、市販のYAGレーザー励起チタンサファイアレーザーをベースに、前年度購入したマスターレーザー(狭帯域リング共振器型チタンサファイアレーザー)を注入同期できる様改造を行い、さらに波長安定化装置を開発し、マスターレーザーの高出力化、波長の狭帯域化ならびに波長安定化の実験・評価を行った。その結果、東京においてこのレーザーにより、中間圏カリウム層及び鉄層の観測に成功した。また、並行してこれらの制御を遠隔操作するための通信技術、ソフトウェアの開発も行った。さらに、予備的な観測として、インドネシアに小型の色素レーザーを持ち込み、赤道域で初めてのNa層の観測に成功した。
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