2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13136207
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長澤 親生 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (80145664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教授 (20167951)
柴田 泰邦 首都大学東京, システムデザイン学部, 助手 (10305419)
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Keywords | ライダー / リモートセンシング / 気候変動 / 超高層大気環境 / 赤道大気 / 巻雲 |
Research Abstract |
本研究は、インドネシアに設置する遠隔制御型大型高機能ライダーを開発し、赤道域での成層圏上部から下部熱圏までの鉛直温度構造と中間圏界面近傍の金属原子層の連続観測および、熱帯積雲対流活動などに重要な役割を担う水蒸気の鉛直分布の観測を行い、対流圏から熱圏下部までの大気上下結合や中間圏界面付近の複雑な力学・化学反応過程の理解に不可欠な観測情報を得ることを目的とする。本年度の主な研究成果は、(1)中間圏界面領域のナトリウム及び鉄層の観測結果から、sporadic Na層及びsporadic Fe層と、赤道大気レーダにより観測されたE領域の散乱強度、流星レーダーにより観測された風、アイオノゾンデにより観測されたsporadic E層高度との比較解析を行った。その結果sporadic Na層とsporadic Fe層のピーク高度とsporadic E層高度とは相関が良いが、wind shear高度とは相関が悪いことが明らかとなった。これらの関係は中緯度の結果と異なり赤道域特有の要因が影響していることを示唆している。(2)赤道域では中緯度に比べて高々度(最大40km)まで成層圏エアロゾルが存在することを確認したが、徐々にその上限高度が下がっているのが確認され、QBOとの関係が明らかとなった。(3)2005年8月から高度10-30kmの巻雲(シーラス)・成層圏エアロゾル観測用の偏光受信系を増設し観測を開始した。高精度で巻雲と成層圏エアロゾルの偏光解消度が観測可能になった。(4)水蒸気ラマンライダーの観測から周期20分程度の水蒸気混合比の時間変動が頻繁に観測された。原因については今後解析を行う。(5)小型ミーライダーによる昼夜連続観測を2年間にわたり行い、観測された巻雲のデータについて、雲の発生頻度に着目して解析を行った。赤道域では高度8〜15kmの領域で巻雲の発生確率が高く、周期20日の変動成分を持っていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)