2001 Fiscal Year Annual Research Report
味覚・消化器官固有の摂食シグナル連動性水チャネルの解析
Project/Area Number |
13137202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 啓子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10151094)
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Keywords | 水チャネル / 小腸 / Caco-2細胞 / AQP |
Research Abstract |
消化管、とくに小腸は食物の消化のために水(消化液)の分泌を行うとともに、外界から摂取された水の大部分の吸収を担っており、水のホメホスタシスにとって重要な器官である。しかし、その機構には未だ不明な点が多い。筆者のグループは、形質膜を通して水が輸送されるプロセスに関与する水チャネルaquaporin(AQP)について、小腸でのその発現の様式と機能の実態を解明する目的で研究を行っている。 現在、AQPは哺乳類において10のサブタイプが同定されている。ヒト小腸mRNAをテンプレートにしてRT-PCRを行ったところ、AQP1、3、4、5、7、8、9、10の8つのサブタイプについて発現が確認された。一方、小腸吸収上皮細胞のモデルであるヒト結腸癌由来の培養細胞Caco-2について同様のRT-PCRを行ったところ、AQP3、4、7、8、10の5つのサブタイプの発現が確認された。次いで、RT-PCRにおいて発現が確認されたサブタイプについてマウス小腸でin situハイブリダイゼーションを行い、その局在を解析したところ、AQP1、4、5、7、9は十二指腸から回腸にかけて陰窩の底部に、AQP1は十二指腸、空腸の微柔毛の中間から底部にかけて、AQP4は十二指腸の微柔毛の先端、AQP5は十二指腸、空腸の微柔毛全体、AQP7、9は十二指腸の微柔毛全体にシグナルが見られた。AQP3は十二指腸から回腸にかけて微柔毛および陰窩全体にシグナルが観察された。AQP4にっいてマウス小腸および小腸吸収上皮細胞様に分化したCaco-2で抗体染色を行ったところ、マウス小腸においては十二指腸の微柔毛の先端部および陰窩にシグナルが観察され、Caco-2では側底部側の細胞膜にシグナルが観察された。以上のように、小腸の多様な部位に水チャネルが発現し、水のホメオスタシスに関与する実態が解明されつつある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kuroda, M.: "Molecular cloning, characterization, and expression of wheat cystatins"Biosci. Biotech. Biochem.. 65. 22-28 (2001)
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[Publications] Ishimaru, Y.: "An actin binding protein, CAP, is expressed in a subset of rat taste bud cells"NeuroReport. 12. 233-235 (2001)
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[Publications] Asano-Miyoshi, M.: "IP3 receptor type 3 is co-expressed with PLCβ2 in a subset of rat taste bud cells that includes the cells expressing two types of taste receptor, T1R and T2R"Chem. Senses. 26. 259-265 (2001)
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[Publications] Matsumoto, I.: "A comparative study of three cranial sensory ganglia projecting into the oral cavity : in situ hybridization analyses of neurotrophin receptors and thermosensitive cation channels"Mol. Brain Res.. 93. 105-112 (2001)
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[Publications] Kishi, M.: "Primary culture of rat taste bud cells that retain molecular markers for taste buds and permit functional expression of foreign genes"Neuroscience. 106. 217-225 (2001)