2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13138201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 裕二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (80301042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 義雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60311560)
平田 たつみ 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (80260587)
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Keywords | 中脳 / 神経 / 発生 / 神経堤 / 中脳後脳境界 / エレクトロポレーション / 軸索 |
Research Abstract |
渡邉はNeogenin/DCCに似た新規の膜タンパクをコードする遺伝子を単離し、中脳に、強く発現することを見いだした。この遺伝子の過剰発現実験ではdelta遺伝子の発現が減少し、siRNAによる遺伝子発現阻害実験ではdelta遺伝子の発現が増強することから、このタンパク質は神経上皮細胞の細胞増殖・神経分化に関与する可能性が高いことが示唆された。また別の受容体膜タンパク質neuropilin-2の神経上皮細胞での働きを調べ、リガンドである軸索誘導因子Sema3Fと結合することによって、滑車神経軸索が中脳後脳境界に沿って誘導するのに働くことを解明した。 平田は終脳スライス標本を用いてlot細胞の移動機構を解析し、DiI標識されたlot細胞が終脳新皮質から広範囲にわたって分化し、腹側接線方向の移動を経て、将来の軸索伸長経路(lot)に配列する様子を、タイプラプス撮影することに成功した。 若松は神経堤細胞の形成に働くnotchシグナルがdeltexによって伝達されることを見いだした。一方で上皮におけるhairy2の発現はSu(H)によって伝達されるため、外胚葉でのnotchシグナルには2つの役割があり、それぞれSu(H)とdeltexによって伝達されることがわかった。またHMGbox型転写因子であるSox2が転写活性化因子として働き、神経堤細胞の形成を抑制することを明らかにした。Sox2の発現は背側神経管から神経堤細胞が形成される際に低下し、神経堤細胞が移動後に形成する末梢神経系のグリア細胞系譜に発現が限局しており、末梢神経系での細胞増殖と分化を制御することが示された。
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[Publications] Watanabe, Y., Toyoda, R., Nakamura, H.: "Navigation of trochlear motor axons along the midbrain-hindbrain boundary by neuropilin-2"Development. 131・3. 681-692 (2004)
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[Publications] Endo, Y., Osumi, N., Wakamatsu, Y.: "Deltex/Dtx mediates NOTCH signaling in regulating Bmp4 expression for cranial neural crest formation during avian development."Dev Growth Differ.. 45・3. 241-248 (2003)
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[Publications] Wakamatsu, Y., Endo, Y., Osumi, N., Weston, J.A.: "Multiple roles of Sox2, an HMG-box transcription factor in avian neural crest development."Dev Dyn.. 229・1. 74-86 (2004)
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[Publications] Wakamatsu, Y., Osumi, N., Weston, J.A.: "Expression of a novel secreted factor, Seraf indicates an early segregation of Schwann cell precursors from neural crest during avian development."Dev.Biol.. (in press).