2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13139204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯野 盛利 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 誠 農林水産省生物資源研究所, 分子遺伝部, 室長(常勤研究職)
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Keywords | 光屈性 / シグナル伝達 / 青色光反応 / オーキシン / イネ / 幼葉鞘 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光受容体フォトトロピンからオーキシン横移動に至るまでの光屈性シグナル伝達機構を、イネを主要な材料にして解明することにある。本年度は、幼葉鞘(および根)の光屈性が欠損した、イネ(ニホンマサリ)の突然変異体cpt1(c__-oleoptile p__-hotot__-ropism1)の原因遺伝子をマップベースクローニングによって単離する研究を中心に進めた。すでに、本遺伝子は第2染色体上に存在していることを明らかにし、その領域を2つのCAPSマーカーの間に絞りこんでいた。本年度は、カサラスと交配したF2解析集団を1500個体(突然変異ホモ個体)にまで増やし、2つのCAPSマーカーの間で組み換えを起こしている個体を選抜した。これらの個体についてさらに内側のRFLPマーカーで絞り込みを行い、最終的に2つのRFLPマーカーの間に挟み込むことができた。これらのマーカーの内側には既存のDNAマーカーが存在しないので、現在、各々のマーカーDNAを含むPACクローンを選抜し、マーカーを作成して、突然変異領域をさらに絞り込む研究を進めている。一方、最近公開されたインディカイネのgenome databaseに上記2つのCAPSマーカー配列のうちの一つを含むコンティグが見つかり、その塩基配列情報をもとに遺伝子領域を推定したところ、3個の遺伝子の存在が予測された。このうちの一つは、シロイヌナズナで報告されているNPE3遺伝子(その突然変異体は光屈性が欠損)と高い相同性を示し、しかも、その近傍の領域がcpt1突然変異体では欠失していることが分かった。現在、cpt1突然変異体にこの遺伝子を組み込み、光屈性が回復するかを検証する実験を開始した。
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[Publications] Long, C., Iino, M.: "Light-dependent osmoregulation in pea stem protoplasts: photoreceptors,tissue specificity,ion relationships,and physiological implications"Plant Physiology. 125/4. 1854-1869 (2001)
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[Publications] Wang, X., Nishizaki, Y., Haga, K., Iino, M.: "Blue light-dependent osmoregulation of protoplasts from Phaseolus vulgaris pulvini"Plant Cell Physiology. 42/12. 1363-1372 (2001)
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[Publications] Iino, M.: "Phototropism in higher plants. In: EPS Comprehensive Series in Photosciences,Photomovement(eds.,M.Lebert and D.-P.Hader)"Elsevier Science. 235 (2001)