2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫寛容の誘導・維持と破綻における樹状細胞の機能と作用メカニズムの解析
Project/Area Number |
13140202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊豫田 智典 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (60359784)
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Keywords | 樹状細胞 / クロストレランス / クロストプライミング / 免疫応答制御 / Th1 / Th2 / 補助刺激分子 |
Research Abstract |
これまでに、定常状態の脾CD8+樹状細胞に静脈より投与した死細胞を捕捉し、それに由来する抗原を提示することにより特異的CD8+ T細胞の一過的な増殖に続くそれらの除去によるトレランスを誘導することを明らかにしてきている。しかし、肝臓の血管内皮細胞も死細胞の捕捉と抗原提示に関与することが報告されているため、骨髄キメラ動物を用いて再検討した。その結果、血管内皮細胞では、特異的T細胞の活性化は誘導されないことが確認された。また、特異的T細胞の除去に必要な抗原提示期間を検討したところ、増殖後に抗原が提示され続けていなければならないことも明らかになった。 クロストレランスならびにクロスプライミングの誘導における補助刺激分子の役割を検討した結果、クロストレランスの誘導には抗原提示細胞上のCD40やCD80/86は不要であること、T細胞のCTLA-4をブロックすることにより活性化されたT細胞の増殖は増強されたが、トレランスの誘導の回避は認められないことが示きれた。他方、クロスプライミングにおいては、CD80/86だけでなくCD40も必須であった。 ヒトCD11c陰性plasamacytoid前駆樹状細胞は、IL-3刺激によりTh2を、ウイルス感染によりTh1を誘導することが知られている。そこで、刺激後一定時間の後に調製した樹状細胞について細胞表面の種々の補助刺激分子とI型IFN産生能ならびにそれらによって誘導される応答を調べたところ、IL-3刺激樹状細胞はI型IFNを産生せず、OX40Lの発現を上昇させたため、特異抗体によってマスクしたところTh2応答への偏向が解除されれた、一方、ウィルス刺激はOX40Lの発現を誘起するが、多量のI型IFNを産生するためTh1応答を誘導した。しかし、刺激後時間の経過と共にI型IFN産生能を消失するためTh2応答が誘導されることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)