2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13140204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊谷 仁 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80161412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安居 輝人 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60283074)
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Keywords | Th1反応 / Th2反応 / Sema4A / Sema6D / Plexin-A1 / T細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
セマフォリンファミリーは、神経回路形成過程において機能するガイダンス因子として同定された分子群であるが、申請者らの研究から、種々のセマフォリン分子が免疫反応の成立や調節において重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。本研究は、これら分子のin vitro、in vivoにおける免疫学的活性、それらの受容体の同定やシグナル伝達経路の解析を行い、本年度は以下の研究成果を得た。 (1)昨年度までに、Sema4A欠損マウスを作成とその解析から、樹状細胞上のSema4AがT細胞のプライミングにおいてT細胞上のSema4AがTh1分化において必要であることを示した。本年度は、遺伝的背景がBALB/cのSema4A欠損マウスを解析し、Sema4A非存在下ではTh2反応が亢進し、アレルギー様の皮膚炎が自然発症することが明らかになった。また、ヒトの多発性硬化症により近い自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を発症するSJLマウスを用いて、抗Sema4A抗体による発症阻止実験を行った。その結果、抗Sema4A抗体がSJLマウスにおける再発性の脳脊髄炎の発症を阻止できることを示した。 (2)昨年度作成したPlexin-A1欠損マウスを更に詳細に解析した。その結果、Plexin-A1欠損マウスにおいては樹状細胞の機能や抗原特異的なT細胞分化が著しく低下しているのに加え、破骨細胞の分化不全から大理石病を発症することが明らかになった。また、Plexin-A1欠損樹状細胞はSema6Dに対する結合性や、Sema6Dによるサイトカイン産生が著明に減弱しており、樹状細胞の活性化においてSema6D-Plexin-A1相互作用が重要な働きを果たしていると考えられる。
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Research Products
(5 results)