2005 Fiscal Year Annual Research Report
組換えと複製におけるHolliday構造の形成と解離の機構
Project/Area Number |
13141203
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
品川 日出夫 大阪大学, 微生物病研究所, 招へい教授 (40029799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱田 卓 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60335388)
森下 卓 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (50273701)
岩崎 博史 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 準教授 (60232659)
石野 良純 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30346837)
筒井 康博 大阪大学, 国立遺伝学研究所, 助手 (00390625)
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Keywords | 遺伝学 / 組換え / 複製 / 癌 / 放射線 |
Research Abstract |
大腸菌RuvBタンパク質は6量体リング構造をとり、Holliday構造特異的に結合するRuvAタンパク質と複合体を形成して、ATP水解のエネルギーを使ってHolliday交叉点の移動を促進するモータータンパク質である。RuvBタンパク質は3つの構造ドメインよりなることを我々は以前明らかにした。本研究では3つのドメインを種々の組合せで発現する欠失遺伝子を作成し、種々のドメインを持つRuvBミュータントタンパク質を精製した。それらの生化学的性質を解析して、ATP結合、ATPase活性、6量体形成、DNA結合、RuvAとの結合等における各ドメインの機能的役割りを明らかにした(論文3) 真核生物における組換え中間体に作用するRuvABCと機能の似たタンパク質を発見するために、我々が分離した分裂酵母の新規な組換え修復遺伝子の機能を解析した。fbh-1遺伝子はヒトにも保存され、E3ユビキチンリガーゼ活性とDNAヘリケースをコードするユニークな遺伝子である。このミュータントでは組換え中間体が蓄積するので、Fbh-1タンパク質は組換え中間体に作用して解消する機能を持つと考えられる(論文4)。 Smc5/6(染色体構造維持)複合体の構成因子を我々は3種類同定した。それらのミュータントの性質を解析した結果、Smc5/6複合体はRad51が機能する組換え中間体形成以後に機能し、中間体の解消に機能することを明らかにした。DNA損傷に応答して起こるG2-M期のチェックポイントシグナルがRad51依存的な組換え中間体の形成期にはなくなっていることもミュータントを利用して証明した(論文5)。 古細菌でRuvABタンパク質の機能的ホモログを探索する過程で、枝分かれしたDNA構造に特異的に作用する新規のDNAヘリカーゼHjmを発見した(論文1)。hjm遺伝子は大腸菌のrecQミュータントの表現型を相補するので、recQの機能的ホモログと考えられる(論文6)。
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