2001 Fiscal Year Annual Research Report
Na^+/H^+アンチポーターの構造・作動機構と制御の生物多様性と統一性
Project/Area Number |
13142207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金澤 浩 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50116448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 徳弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90324748)
井上 弘樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10294448)
福山 恵一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80032283)
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Keywords | Na^+ / H^+交換輸送 / pHセンサー / イオン輸送分子機構 / ランダムミューテーション / アポトーシスキナ-ゼ / 細胞膜小胚輸送 / カルシューム結合蛋白 |
Research Abstract |
Na+/H+交換輸送蛋白質におけるイオン輸送に関わる分子機構を明らかにする目的で、細菌、酵母、ラットを研究材料として、本年度以下の研究成果を得た。 1.大腸菌と胃潰瘍原因菌であるH.pyroliのNa+/H+交換輸送担体NhaAの一次構造は、高い相同性が存在する。しかし、pHに依存したイオン交換輸送活性の挙動は両者で大きく異なる。ピロリ菌では、pH6-pH8.5の広い範囲で活性があるのに対し、大腸菌ではpH7.5-8.5でのみ活性を発現する.このpH感知能力(センサー)の違いを構造上に位置づけるため、ランダムな変異をピロリ菌NhaA全体に導入し、イオン輸送、およびセンサーに関わる構造を推定した。この結果、40の機能変換および機能欠損を示す点突然変異は、3つの異なる内在性部分に存在することが明らかとなった。また、ピロリ菌のpHセンサー構造は、大腸菌と共通な構造に加えて、酸性側でも機能しうるような構造変換が第4,第10膜貫通領域でおこったものと推定された。 2.酵母のNa+/H+交換輸送担体Nha1の細胞質ドメインのイオン輸送における制御上の役割を明らかにするため、系統的に欠失体分子を作製し、機能を調べた。この結果、2カ所の異なる部分が、輸送機能の正および負の調節に関与している結果が得られた。また、もっとも細胞膜に近い部分が細胞内部の粗面小胞体から細胞膜へのNhaA分子の移行に必要であることが明らかになった。 3.ラットのNa+/H+交換輸送担体蛋白質NHE1の細胞質ドメインに結合するカルシニューリンB様蛋白質をこれまで単離していた。この蛋白質(CHP)に結合する蛋白質を探索し、新規のapoptosisキナーゼをクローン化した。この蛋白質とNHE1の関係を探る目的で、NHEのリン酸化を調べたが、リン酸化は認められなかった。さらに、CHPの新規なアイソフォームを発見した。このアイソフォームがNEE1-5へ結合出来ることを明らかにした。 上記に関わる成果を3編の論文および日本生化学会大会で発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Inoue, H, Tsuboi, Y., Kanazawa, H.: "Chimeric Na^+/H^+ antiporters of NhaA from Helicobacter pylori and Escherichia coli : Implications for domains of NhaA for pH sensing"J.Biochem.. 129. 569-576 (2001)
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[Publications] Hayami, K., Noumi, T., Inoue, H., Ge-Hong, Sun-Wada, Yoshimizu, T., Kanazawa, H.: "The murine genome contains one functional gene and two pseudogenes coding for the 16kDa proteolipid subunit of vacuolar H^+-ATPase"Gene. 273. 199-206 (2001)
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[Publications] Matsumoto, M., Miyakae, Y., Nagita, M., Inoue, H., Shitakubo, D., Takemoto, K., Ohtsuka, C., Nakamura, N., Kanazawa, H.: "A serine/threonine kinase which causes apoptosis like cell death interacts with a calcineurin B like protein capable of binding Na^+/ H^+ exchanger 1"J.Biochem. 130. 217-225 (2001)