2001 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞Na^+/H^+アンチポーターの構造・機能・調節
Project/Area Number |
13142210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (70158583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久光 隆 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 科学技術振興調整費特別研究員
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)
岩本 隆宏 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (20300973)
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Keywords | Na^+ / H^+アンチポータ / 細胞内pH / 結晶構造 / 生物・生体工学 / 生物物理 / ナノマシン / 生体分子 / 蛋白質 |
Research Abstract |
あらゆる生物のpH・Na^+濃度・細胞容積の調節に中心的役割を果たす膜輸送ナノマシーン、Na^+/H^+アンチポータ(NHE、Na^+/H^+ exchangerともいう)が、a)どのようにしてイオンを認識し、膜を隔ててそれを輸送するのか、b)その活性調節機構はどのような構造的基盤に基づいて行われるのかを解明するのが本研究課題の目的である。本年度は、その準備段階として、以下のような試みを行った。1.NHEとその結合因子の結晶構造解析:将来の構造解析に向けて、タンパク質を大腸菌および昆虫細胞で発現することを試み、NHEと相互作用するタンパク質CHPを大量に発現・精製することができた。しかし精製したタンパク質は凝集しやすく結晶化には不向きであり、現在NHE1/CHP複合体を精製する方向で検討を加えている。2.NHEのH^+制御部位の解析:NHE発現細胞を用いて、^<22>Na^+流出実験などからNHE分子内にはH^+輸送部位とは異なるH^+制御部位が存在し、この部位におけるH^+の結合・解離によってNHE活性のon-offが決定されることが明らかになった。また、部位特異的変異導入の手法によって、NHE1の11番目の膜貫通ドメイン内のグリシンに富んだモチーフがH^+制御部位を調節する一つの重要な領域であることが示唆された。3.NHE1オリゴマーの近接部位の同定:NHE1のオリゴマー形成における近接部位を同定するため、Cys変異を導入して分子間Cys-Cys架橋反応を検出した。その結果、細胞質のC末端領域、特にその後半部が分子間で近接する位置にあることが判明した。C末端はさまざまな活性調節分子が結合する領域であり、この領域におけるオリゴマー構造が活性調節に重要な役割を担う可能性が示唆される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Pang, T. et al.: "Calcineurin homologous protein as an essential cofactor for Na^+/H^+ exchanger"J.Biol.Chem.. 276. 17367-17372 (2001)
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[Publications] Miyazaki, E. et al.: "NHE6 protein possesses a signal peptide destined for endoplasmic reticulum membrane and localizes in secretory organelles of the cell"J.Biol.Chem.. 276. 49221-49227 (2001)
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[Publications] Shigekawa, M., Iwamoto, T.: "Cardiac Na^+/Ca^<2+> exchange : molecular and pharmacological aspects"Circ.Res.. 88. 864-876 (2001)
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[Publications] Hisamitsu, T. et al.: "A mechanism of Ca^<2+> release from Ca^<2+> stores coupling to the Na^+/Ca^<2+> exchanger in cultured smooth muscle cells"Life Sci.. 69. 2775-2787 (2001)
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[Publications] Iwamoto, T.: "Structural domains influencing sensitivity to isothiorea derivative inhibitor KB-R7943 in cardiac Na^+/Ca^<2+> exchanger"American pharmacological society. 59. 524-531 (2001)
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[Publications] 若林繁夫: "細胞内pH・容積センサーとしてのNa^+/H^+アンチポータ"生物物理学会誌. 41(2). 96-99 (2001)