2005 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞Na+/H+アンチポータの講造・機能・調節
Project/Area Number |
13142210
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 部長 (70158583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 裕子 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室長 (80171908)
西谷 友重 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室長 (50393244)
久光 隆 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室員 (50327946)
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Keywords | Na^+ / H^+アンチポータ / 細胞内pH / 結晶構造 / 生物・生体工学 / 生物物理 / ナノマシン / 生体分子 / タンパク質 |
Research Abstract |
Na^+/H^+交換輸送体(NHE)には組織特異的に発現する様々なアイソフォームがあるが、私達は最近、NHEに結合するCa^<2+>結合タンパク質の一つ、カルシニュリン様タンパク質CHPがNHEの活性制御に重要であることを発見した。また、CHP2アイソフォームは癌細胞特異的に発現し、癌の速い増殖に関与することを示唆した。本研究は、CHP/NHE複合体の結晶構造ならびに分子の機能を解析し、NHEの制御機構を明らかにすることを目的とした。私達は、CHP2とそのNHE1側の結合ドメインを大腸菌で共発現し大量に精製したのち、このCHP2/NHE1複合体をY^<3+>イオンの存在下で結晶化することに成功した。SPring8のビームラインを用いて2.7Åの解像度で回折像が得られ、結晶構造を解明した。その結果、CHP2には疎水性残基に富んだ溝があり、NHEは・-helixを形成することでこの溝と極めて特異的に強く相互作用することが明らかになった。この相互作用はvan der Waars結合といくつかの位置に点在する水素結合によって起こる。CHPにはN-lobeとC-lobeをつなぐ比較的長いリンカー領域があり、このCHP-unique regionはNHE1によるpH制御に重要であることがわかった。構造に基づく機能解析によってCHPがCa^<2+>センサーではなくNHEのpHセンサーを制御するユニークな機能を有すること明らかにした。現在、変異CHP2、CHP3およびNHEの細胞質ドメイン全体の結晶構造解明に向けて研究を進めている。
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Research Products
(5 results)