2001 Fiscal Year Annual Research Report
受精後の初期発生プログラムに連動するポリA鎖伸長母性RNAの網羅的アプローチ
Project/Area Number |
13202059
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 敬之 東海大学, 医学部, 助手 (80317825)
佐藤 正宏 東海大学, 総合医学研究所, 助教授 (30287099)
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Keywords | マウス / 着床前初期胚 / 卵形成 / 受精卵 / 母性RNA / 接合型遺伝子発現 / poly(A)鎖付加 / 翻訳制御 |
Research Abstract |
多くの生物の受精卵初期発生には、必ず母性型RNAから接合子型RNAへの発現の転換があり、このシステムが正常に作動しない限り、以降の発生プログラムは進行しない。この時期に対応する新たな現象として、我々は、ある母性RNAが受精後18時間(1細胞期後期)をピークとして一過的にそのmRNAのポリA鎖を伸長させ、その後分解されることを初めて見いだした。現在、我々の他に7遺伝子で同様の現象が報告されており、受精後に生じる母性RNAのポリA鎖伸長現象が、マウス初期胚発生プログラム発動に重要な役割を演じている可能性が示唆されている。我々の目的は、同様の動態を示す母性RNAを網羅的単離し、解析をすることにより受精直後の初期胚の遺伝子発現転換を中心とした発生システムの解明に挑むことを目的とした。 そのため、ポリA鎖伸長を起こした母性RNA群のみを濃縮した我々独自のcDNALibrary作製法を考案し、本年度、その作製条件7項目を検討した。(a)biotinATPのマウス受精卵への導入方法(Permeabilization、Electroporationおよび胚注入法)の検討。(b)胚注入するbiotinATPの濃度の決定。(c)ポリA)鎖伸長を示すRNA群の免疫蛍光抗体法によるマウス受精卵上での視覚化。(d)(c)の手法を活用したbiotinATPの胚注入時間の設定。(e)biotinATP注入胚からbiotinラベルRNA群の単離法の確立。(f)streptavidin架橋ビーズに回収されたRNAからRT-PCRを用いたcDNAの増幅条件の設定。(g)増幅されたcDNAの品質検討。その結果、最適条件を用いてマウス初期胚にATP誘導体を取り込ませポリA鎖伸長を引き起こしている母性RNAのみを濃縮したcDNA群の増幅に成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kajiwara, K., O-Wang, J., Sakurai, T. et al.: "Sez4 gene encoding an elongation subunit of DNA polymerase zeta is required for normal embyogenesis"Genes to Cells. 6. 99-106 (2001)
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[Publications] Kawamura. K., O-Wang. J. et. al.: "The error-prone DNA polymerase zeta catalytic subunit(Rev3) gene is ubiquitously expressed in normal and malignant human tissues"Int.J.Oncology. 18. 97-103 (2001)
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[Publications] Shiina, T., Ando, A., et al.: "Genomic Anatomy of a Premier Major Histocompatibility Complex Paralogous Region on Chromosome 1q21-22"Genome Research. 11. 789-802 (2001)