2001 Fiscal Year Annual Research Report
「小腸-膵β細胞」を枢軸とした候補遺伝子プールの構築による糖尿病遺伝子の同定
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13204008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀川 幸男 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (10323370)
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Keywords | MODY / HNF / EST / マイクロアレイ / アデノウィルス / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
現在まで6種類のMODY原因遺伝子が同定されているが、これらの遺伝子は同一カスケード内で相互に機能連関したHNF転写因子をコードする。しかも発生原基がβ細胞と共通である小腸ですべて発現している。そこで膵β細胞と小腸の共通発現遺伝子群を網羅すべくESTを大量集積した。正常ヒト膵島細胞より2万個のESTと、ヒト小腸EST1.5万個を集積後、さらにラットの正常β細胞についても約2万個のESTを新たに確保した。ラットインスリン産生細胞株(RIN)については現在約1.2万個を取得し進行中である。マウスについても正常ヒト膵島細胞で約1万個、インスリン産生細胞株(MIN6)で約2万個のESTを新たに確保できた。先行して獲得したヒト正常膵β細胞、ヒトインスリン産生細胞株、ヒト小腸のEST合計約3万個のESTの分類化、集団化(クラスタリング)を施行し、約5000種類の既知遺伝子を確認し、そのうち約300種類の共通遺伝子を同定した。また膵島ESTのみの機能別分布も施行し、遺伝子発現・蛋白生成に関与するESTが既知のものでは最も多く、15%を占めることを明らかにできた。 上記のESTを用いて独自のcDNAマイクロアレイを作成しているが、クラスタリングの遅れからスポッティングは発現順位と無関係に施行している。またスポッターのドライステップにおける不備を改良するのにやや時間を要したが、ハイブリダイゼーションの至適条件は確立できた。 HNF転写因子を効率良く発現させるためにアデノウィルスの系を用いているが、HNF-1α、1βなどのHNFベクター構築も既に終了しており、小腸・膵β細胞でHNF転写因子の野生型とドミナントネガティブ変異をそれぞれ過剰発現させてmRNAを抽出する。そしてマイクロアレイ解析によって発現レベルが変化する遺伝子群を同定し、候補遺伝子プールを構築する。
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[Publications] Del Bosque-Plata, L., et al.: "β-cell transcription factors and diabetes : no evidense for diabetes-associat ed mutations in the coding region of the proendocrine neurogenin 3 gene (NEUROG3) in Japanese patients with MODY"Diabetes. 50. 694-696 (2001)
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[Publications] Yang, X., et al.: "Reduced skeletal muscle calpain-10 transcript level is due to a cumulative decrease in major isoforms"Mol. Genet. Metab. 73(1). 111-113 (2001)
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[Publications] Sreenan, S.K., et al.: "Calpains play a role in insulin secretion and action"Diabetes. 50. 2013-2020 (2001)
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[Publications] Evans, J.C., et al.: "Association studies of the calpain-10 gene with type 2 diabetes mellitus in the United Kingdom"Am. J. Hum. Genet. 69(3). 544-552 (2001)