2002 Fiscal Year Annual Research Report
「小腸-膵β細胞」を枢軸とした候補遺伝子プールの構築による糖尿病遺伝子の同定
Project/Area Number |
13204008
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀川 幸男 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (10323370)
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Keywords | MODY / HNF / EST / マイクロアレイ / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
現在まで6種類のMODY原因遺伝子が同定されているが、これらの遺伝子は同一カスケード内で相互に機能連関したHNF転写因子をコードする。しかも発生原基が膵β細胞と共通である小腸ですべて発現している。そこで膵β細胞と小腸の共通発現遺伝子群を網羅すべくESTを大量集積した。先行して獲得したヒト正常膵β細胞、ヒトインスリン産生細胞株、ヒト小腸のEST合計約3万個のESTの分類化、集団化(クラスタリング)を施行し、約5000種類の既知遺伝子を確認し、そのうち約300種類の共通遺伝子を同定している。さらに膵β細胞特異的ESTを収集するため、ヒトインスリン産生細胞株をさらに約1万個追加採取した。この獲得したヒトインスリン産生細胞株単独のESTの分類化、集団化(クラスタリング)を施行し、3461種類の既知遺伝子と3469種類の未知遺伝子を獲得した。さらに機能別分布も施行し、遺伝子発現・蛋白生成に関与するESTが既知のものでは最も多く232種類を占めることを確認した。これら転写因子のESTのみからなる独自のマイクロアレイを用いて膵、肝、小腸に共通に発現する12個の新規糖尿病候補転写因子を獲得することができた。また未知遺伝子のBLASTXサーチにより、シグナル伝達に関係するセリン・スレオニンキナーぜや転写に関係するジンクフィンガー蛋白などのホモローグが確認された。これらは未知の有力な糖尿病候補遺伝子と成り得る。HNF転写因子を効率良く発現させるためにアデノウィルスの系を用いているが、HNF-1α、1βなどのHNFベクター構築も既に終了しており、膵β細胞腫瘍株でHNF転写因子の野生型とドミナントネガティブ変異をそれぞれ過剰発現させてmRNAを抽出しマイクロアレイ解析によって発現レベルが変化する遺伝子群を同定し、先の転写因子と合わせ糖尿病候補遺伝子プールを構築し関連解析を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Lynn, S. et al.: "Variation in the calpain-10 gene affects blood glucose levels in the British population"Diabetes. 51. 247-250 (2002)
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[Publications] Fullerton, S.M. et al.: "Geographic and haplotype structure of candidate type 2 diabetes susceptibility variants at the calpain-10 locus"Am. J. Hum. Genet.. 70. 1096-1106 (2002)
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[Publications] Ehrmann, D.A. et al.: "Relationship of calpain-10 genotype to phenotypic features of polycystic ovary syndrome"J Clin Endocrinol Metab. 87. 1669-1673 (2002)
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[Publications] Shore, A.C.et al.: "Association of the calpain-10 gene with microvascular function"Diabetologia. 45. 899-904 (2002)
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[Publications] Tonooka N. et al.: "High frequency of mutations in the HNF-1αgene in non-obese patients with diabetes of youth in Japanese and identification of a case of digenic inheritance"Diabetologia. 45. 1709-1712 (2002)