2001 Fiscal Year Annual Research Report
CpGアイランドのメチル化を指標としたヒトインプリント遺伝子の網羅的単離
Project/Area Number |
13204093
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
白石 昌彦 国立がんセンター, 研究所・DNAメチル化とゲノム機能プロジェクト, プロジェクトリーダー (10178931)
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Keywords | CpGアイランド / DNAメチル化 / ゲノムインプリンティング / メチル化DNA結合カラム / 重亜硫酸修飾法 |
Research Abstract |
ヒト肺がんにおいてメチル化されているCpGアイランド由来のDNA断片をメチル化DNA結合カラムを用いて濃縮し、クローン化した。このライブラリーから、正常ヒト体細胞のDNAで片方のアレルがメチル化されているCpGアイランドを単離した。 正常体細胞由来のDNAを制限酵素Tsp509Iで切断し、メチル化DNA結合カラムクロマトグラフィーにより非メチル化CpGアイランドに由来するDNA断片を含む低塩濃度分画、メチル化CpGアイランドに由来するDNA断片を含む高塩濃度分画に分けた。それぞれの画分から回収したDNAを鋳型とし、ライブラリーから単離された標的塩基配列に由来するプライマーを用いてPCRを行い、両分画にPCR産物が検出される塩基配列を約150個得た。このうち塩基配列上CpGアイランドの特徴を有するものが約40個存在し、この中には既知インプリント遺伝子であるNNAT遺伝子のCpGアイランドも含まれていた。既知遺伝子の5'領域に由来する配列に関し重亜硫酸修飾法を用いてさらに詳細にメチル化様式を解析したところ、NEUROD3遺伝子、TNFRSF12遺伝子などのCpGアイランドが片方のアレルがメチル化されていることが示唆された。これらの結果は、メチル化DNA結合カラムクロマトグラフィーにより、CpGアイランドのメチル化を指標としてヒトインプリント遺伝子の網羅的な単離が可能であることを示している。またこれらのうちTNFRSF12遺伝子を含むいくつかの遺伝子は、骨髄異形成症候群、関節リウマチの原因遺伝子座に位置し、インプリント異常が疾患の原因となっている可能性が示唆された。
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[Publications] M. Shiraishi et al.: "Heterogeneity in the methylation status of genomic DNA fragments demonstrating similar elution profiles in methyl-CpG binding domain column chromatography"Proceedings of the Japan Academy. 77(B). 208-211 (2001)
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[Publications] M. Shiraishi et al.: "A comprehensive catalog of CpG islands methylated in human adenocarcinomas of the lung for the identification of tumor suppressor genes"Oncogene. (印刷中).