2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム構造の解明による植物マイコプラズマ遺伝子の機能ネットワーク
Project/Area Number |
13206021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 伸一 東京大学, 新領域創成科学研究所, 助手 (00313015)
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Keywords | タマネギ委黄病 / 植物マイコプラズマDNA / 植物マイコプラズマの大量増殖 / 篩部局在性 / PFGEによるゲノムDNA精製 |
Research Abstract |
本研究では、重大な病害を引き起こす植物病原体である植物マイコプラズマのゲノム構造の全容を世界に先駆けて解明することで、その病理の分子機構に関する基盤的知見を得ることを目的としている。細胞内寄生性の植物病原細菌として初のゲノム解析となり、ゲノムの機能ネットワークを解明する端緒となるごとが期待される。 平成13年度は、まず、植物マイコプラズマゲノムの全体像の把握を目指し、一次構造の解明に着手した。16SrRNA塩基配列による系統解析より、最大のグループに属するonion yellowsファイトプラズマ(OY-W)をゲノム決定のためのモデル系統とした。また、植物の筋部組織に特異的に生育することから、宿主植物として維管束系の発達しているシュンギクを用いることとした。 これらの材料よりゲノムDNAの精製、ファージライブラリーの構築、ライブラリーの検証を進めるという流れのなかでゲノムの主要な構造を明らかにするための端緒とする計画である。 まず、遠心分離によって単離される植物マイコプラズマ濃縮画分より抽出した全DNAを用いてファージライブラリーを作製した。その後、一部クローンを選抜、ライブラリーの評価を行った。その結果、これまでの16SrDNAのようなPCR増幅産物ではない、ゲノム断片のランダムクローニングに成功し、膜輸送系のsecA遺伝子やelongation factor G/Tu遺伝子によるstr operonを含む断片等が得られた。これらの塩基配列からは、植物マイコプラズマが必ずしも動物マイコプラズマと最も近縁ではないという結果が予備的に得られている。 さらに、植物マイコプラズマ画分をプロテアーゼ処理することで、パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)により約1Mbpの高度精製ゲノムDNA画分の分離に成功した。現在、大量の高度精製ゲノムDNAの抽出を試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nishigawa H, Miyata S, Oshima K, Sawayanagi T.Komoto A, Kuboyama T, Matsuda I, Tsuchizaki T, Namba S: "In planta expression of a protein encoded by the extrachromosomal DNA of a phytoplasma and related to geminivirus replication proteins"Microbiology. 147. 507-513 (2001)
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[Publications] Kakizawa S, Oshima K, Kuboyama T, Nishigawa H, Jung H-Y, Sawayanagi T, Tsuchizaki T, Miyata S, Ugaki M, Namba S: "Cloning and expression analysis of phytoplasma protein translocation genes"Molecular Plant Microbe Interaction. 14. 1043-1050 (2001)
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[Publications] Oshima K, Kakizawa S, Nishigawa H, Kuboyama T, Miyata S, Ugaki M, Namba S: "A plasmid of phytoplasma encodes a unique replication protein having both plasmid-and virus-like domains : clue to viral ancestry or result of virus/plasmid recombination?"Virology. 285. 270-277 (2001)
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[Publications] Oshima K, Shiomi T, Kuboyama T, Sawayanagi T, Nishigawa H, Kakizawa S, Miyata S, Ugaki M, Namba S: "Isolation and characterization of derivative lines of the onion yellows phytoplasma that do not cause stunting or phloem hyperplasia"Phytopathology. 91. 1024-1029 (2001)
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[Publications] Miyata S, Furuki K, Sawayanagi T, Oshima K, Kuboyama T, Tsuchizaki T, Ugaki M, Namba S: "The gene arrangement and sequence of str operon of phytoplasma resemble those of Bacillus more than those of Mycoplasma"Journal of General Plant Pathology. (in press). (2002)