2001 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌必須遺伝子群の機能ネットワークの遺伝学的解析
Project/Area Number |
13206058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三木 健良 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (40037586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 勉 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (70264059)
加藤 潤一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10194820)
山本 義弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60068567)
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Keywords | 大腸菌 / ゲノム / 必須遺伝子 / 遺伝子破壊 / 機能解析 / ネットワーク / トランスポゾン |
Research Abstract |
本研究の目的 全ての生物に共通の問題である「細胞の増殖機構の分子生物学的理解」に迫るため、大腸菌細胞の自律増殖に最低限必要な遺伝子群を同定し、これらの遺伝子が担っている機能を主に遺伝学的手法を駆使して解明する。 必須遺伝子の同定 (a)遺伝子破壊株を用いての必須遺伝子の同定 配列解析から存在が推測されている4300 ORFの約88%に相当する3800 ORFの破壊株を得た。菌株の純化、保存を行い、現在この作業が約3400遺伝子について終了した段階にある。確立した株の中の二倍体株785遺伝子の変異株を用いての詳細な解析を行なった所、用いた実験条件下において、88遺伝子が、破壊した場合増殖不能と判断された。この内13遺伝子はこれまで必須ではないと報告されていた遺伝子であり、12個は未解析の遺伝子であった。また、785遺伝子の内18遺伝子は、必須と破壊可能の中間的な表現型を示す(破壊株の増殖が阻害される)遺伝子であった。 (b)長い欠失変異株を用いた必須遺伝子の同定 生育に必須かどうか不明な遺伝子のほとんどをカバーする163(平均約20kb)の欠失変異の作製を試み、これまでに78の欠失変異株が作製できた。欠失変異が作製できなかった85の領域のうち、61の領域についてはその領域の一部あるいは全部を持つmini-Fの存在下で欠失変異が作製できた。その解析からこれまでに7つの未知必須遺伝子が同定された。 未知必須遺伝子のネットワークと機能の解析 (a)必須遺伝子の高温感受性化 複製が高温感受性mini-Fにクローン化した野生型遺伝子でトランスに相補する方法、野生型mini-Fにクローン化したMn^<++>イオン存在下で変異誘導した遺伝子でトランスに相補する方法、の二つの方法を構築した。これらをいくつかの遺伝子に適用し、容易に高温感受性化できることを確認した。 (b)抑圧変異株、多コピー抑圧遺伝子の分離 抑圧変異株、多コピー抑圧遺伝子を比較的簡単に単離解析するシステムを構築し、このシステムが有効に機能することを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kato, J., Katayama: "Hda, a novel DnaA-related protein, regulates the replication cycle in Escherichia coli"EMBO J.. 20(15). 4253-4262 (2001)
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[Publications] Katayama, T.: "Feedback controls restrain the initiation of Escherichia coli chromosomal replication"Mol. Microbiol.. 41(1). 9-18 (2001)