2004 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌必須遺伝子群の機能ネットワークの遺伝学的解析
Project/Area Number |
13206058
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 潤一 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10194820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒野 照弥 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00087131)
片山 勉 九州大学, 薬学研究院, 教授 (70264059)
三木 健良 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40037586)
|
Keywords | 分子生物学 / 遺伝学 / ゲノム / 細菌 / 必須遺伝子 / 染色体 / 欠失変異 / DNA複製 |
Research Abstract |
本研究では、細胞増殖機構の全体像の理解を目指し、大腸菌を材料にして系統的な欠失株の作製やランダムなトランスポゾン挿入遺伝子破壊株の作製による必須遺伝子群の同定と、機能未知な必須遺伝子の機能解析、染色体複製開始調節に関与する遺伝子群の探索を行った。 染色体必須領域の同定:シスに働く染色体必須領域が存在する可能性も考えた全ての必須な遺伝情報の同定を目指し、必須遺伝子が存在する領域はプラスミドによって相補しながら、複製起点を除く全染色体領域をカバーする欠失変異群の作製を進めた。これまでに染色体全体の約97.2%の領域について作製できた。また相補プラスミドにクローン化した領域などから推定した全必須遺伝子群について枯草菌の全必須遺伝子群と比較したところ、約65%の遺伝子が共通であった。 機能未知必須遺伝子の機能解析:欠失変異作製のプロジェクトにおいて同定した機能未知必須遺伝子について、GFPの遺伝子を染色体上の必須遺伝子と融合させることなどにより、必須遺伝子産物の細胞内局在性について調べた。また高温感受性変異株を単離して表現型を調べると共に、抑圧変異株を単離し機能的に関連する遺伝子の同定を行なった。その結果、生育に必須なRNaseであるOrnが、やはり生育に必須なRNaseであるRNase Eと機能的に関連すること、具体的にはRNase Eを中心としたRNA分解に働く複合体であるdegradosomeの構成因子の一つがOrnであることが明らかになった。 染色体複製開始調節に関与する遺伝子群の探索:染色体複製開始調節に必須なDnaA, DnaN, Hda、と相互作用する新たな因子を探索した結果、DnaAに結合する新規タンパク質であるDiaAが複製開始調節に関与すること、新規熱ショックタンパク質であるHspQが変異型DnaAタンパク質の分解に関与することが明らかになった。
|
Research Products
(8 results)