2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13210055
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 道弘 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50193173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 通寿 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40303127)
谷口 寿章 新潟大学, 理化学研究所・播磨研究所, 研究員(チームリーダー) (10257636)
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Keywords | プロテオーム解析 / 成長円錐 / シンタキシン / 蛋白キナーゼ / カルシウム / 開口分泌 |
Research Abstract |
成長円錐におけるプロテオーム解析の第一段階として、蛋自質間のlinkage analysisをSNARE機構の中核分子syntaxinに関して行った。Ca/ATP依存性にsyntaxinに結合する蛋白質を脳から綱羅的に検索して、10種類程度の蛋白質を同定した。そのうち、カルモジュリン依存性蛋白キナーゼII(CaMKII)とsyntaxinの相互作用について、詳細に解析した。この結合は、Ca^<2+>濃度が10^<-6>M以上になったときだけ生じ、CaMKIIが自己リン酸化したものだけが結合することを証明した。また脱リン酸化や、Ca^<2+>濃度減少で結合も減少することから、この結合は可逆的である。CaMKIIはsyntaxinのlinker domainと呼ばれるシンタキシンの構造変化に重要な部位に結合する事がわかった。 CaMKIIの触媒能はこの結合の有無に無関係であった。SyntaxinはCaMKII, SNAP-25, synaptotagmin Iと内因性の複合体を形成していることがわかった。またCaMKIIはMunc-18と競合して、open formに結合するものと結論された。クロマフィン細胞で開口放出によるカテコールアミンの遊離をamperometry法で測定したところ、結合部位であるlinker domainは開口放出頻度を半減させた。また上頸神経節細胞では後細胞側のシナプス後電位(EPSP)を測定したところ、linker domain注入細胞ではEPSPの低下が見られた。以上の結果は、linker domainが内因性のCaMKIIとsyntaxinの相互作用を阻害した結果、生じたものと解釈される。従って、CaMKIIとsyntaxinのCa^<2+>/ATP依存性結合は開口放出の生理的調節に大いに寄与していることが証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohyama A et al.: "Regulation of eaocytosis through Ca^<2+>/ATP-dependent binding of autophprlylated CaMKII to syntaxin"Journal of Neuroscience. 22(印刷中). (2002)
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[Publications] 五十嵐道弘: "ブレインサイエンスレビュー(伊藤正男編)"医学書院(印刷中). (2002)