2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13210119
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10159189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
詫間 浩 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00326258)
富山 貴美 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (10305633)
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Keywords | 神経科学 / 痴呆 / スプライシング / 脳神経疾患 / タウ |
Research Abstract |
タウ遺伝子の変異によって生じるタウオパチーの主原因はエクソン10のスプライシング異常であるが、その分子機構にはなお不明な点が多い。我々は、ヒトおよびマウスゲノムからエクソン10領域を含むゲノム断片をとりだし、エクソン10のスプライシング反応を比較検討し、その分子機構について新規機構を提唱した。ヒトゲノム構造では、Huttonモデルと称されるステムループ構造がエクソン10とイントロン10によって形成され、エクソン10のスプライシングを調整していることが提唱された。このモデルとは異なるSchellenbergモデルがその後に提唱され、イントロン10に機能ドメインがあり、その一次構造でスプライシングが制御可能であると主張された。我々の新モデルは、マウスゲノム解析から2つのステムからなるダブルステムループ構造モデルが基本構造であるとした。基本的には、Huttonモデルの改良であるが、従来の欠点をすべて保管することが出来るばかりか、新規+29イントロン変異によるエクソン10スプライシング効率まで説明できることで、より完全性があると考えられる。この新規モデルの検証のために、ミニジーンを用いた変異効果をPCR、蛋白発現の両レベルでエクソン10のスプライシングを解析した。我々のモデルでは、従来のステムループをさらに負に制御する2つ目のステムループが直下の下流にあることがしめされており、ゲノム全体に制御のウェーブがあることが示唆される。また、このモデルに基づく、スプライシングを培養細胞だけでなく、個体レベルでの脳組織でみるためにトランスジェニックマウスを作製した。現在、ヒト野生型ゲノム塩基配列を導入されたマウスが生まれたが、DNA塩基配列が決定的因子としてスプライシングを制御することが見出された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takuma H, Arawaka S, Mori H: "Isoforms changes of tau protein during development in various species."Dev Brain Res. 142. 121-127 (2003)
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[Publications] Minami M, Mizutani T, Kawanishi R, Suzuki Y, Mori H: "Neuronal expression of αB crystallin in cerebral infarction."Acta Neuropathol. 105. 549-554 (2003)
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[Publications] Mori H., Tomiyama T, Maeda N, Ozawa K, Wakasa K: "Lack of amyloid plaque formation in the central nervous system of a patient with Werner syndrome."Neuropathology. 23. 51-56 (2003)
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[Publications] Hebert SS, Godin C, Tomiyama T, Mori H, Levesque G: "Dimerization of presenilin-1 in vivo : suggestion of novel regulatory mechanisms leading to higher order complexes."Biochem Biophys Re s Commun. 301. 119-126 (2003)
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[Publications] Kametani F, Usami M, Tanaka K, Kume H, Mori H: "Mutant presenilin (A260V) affects Rab8 in PC12D cell."Neurochem Int. 44(5). 313-320 (2003)
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[Publications] Kanemitsu H, Tomiyama T, Mori H: "Human neprilysin is capable of degrading amyloid β peptide not only in the monomeric form but also the pathological oligomeric form."Neurosci Lett. 350. 113-116 (2003)