2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13210119
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 啓 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10159189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 貴美 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10305633)
詫間 浩 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (00326258)
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Keywords | 神経科学 / 痴呆 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 老化 / タウ蛋白 / スプライシング |
Research Abstract |
成長後のヒトタウ蛋白アイソフォームでは、3Rタウと4Rタウが1:1で発現しているが、FTDP-17では、タウ遺伝子変異によりその比率が変化し、多くのイントロン型変異では4Rタウが優性となることが知られている。FTDP-17に関する従来のエクソン型変異の研究では、ほとんどの症例についての情報を欠くばかりか、病因の説明が不可能である。われわれは、イントロン型FTDP-17変異の分子機構を解明するために、培養細胞の実験系および遺伝子改変型マウスを作成し、そのエクソン10スプライシング機構を検討するために、マウスのタウ遺伝子のエクソン10周辺ゲノム断片をクローニングした。その結果、ヒトにはないエレメント配列を見出した。その機能は、エクソン10スプライシングを低下させることが判明した。マウスのエクソン10およびイントロン10のヘアピン構造解析をしたところ、Huttonらによって提唱されたステム・ループ構造と同じ構造がマウスにも確認され、さらに新しくエレメント配列にもステム・ループ構造が推測された。この新ステム・ループ構造は、尿素有無におけるゲル電気泳動、RNAプロテクションアッセイ、ハイブリダイズ法によって証拠づけることができた。マウスで見出された構造自身に重要性があるかどうかは未確定であるが、少なくとも従来議論されてきたエクソン10スプライシングのステム・ループ理論やESS、ISS、ISMドメイン配列よりもさらに下流にある塩基配列領域にもエクソン10スプライシングを制御する活性エレメントがあることが示された。実際、二重ステム・ループ構造を欠くヒトイントロン構造を持つタウ遺伝子コンストラクトを導入したマウス脳では、ヒト脳と同じタウアイソフォームを発現することが示された。
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Research Products
(6 results)