2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13210149
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
古市 貞一 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, チームリーダー(研究職) (50219094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 りや 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (80332328)
中村 浩 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (70321792)
白石 陽子 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 基礎科学特別研究員 (50311345)
吉川 文生 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (70342871)
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Keywords | Cupidin / 発生・分化 / 遺伝子発現 / シナプス形成 / 小脳 / グルタミン酸 / 顆粒細胞 / Gene Chip |
Research Abstract |
本研究ではマウスの小脳構築の分子メカニズムを遺伝子レベルで明らかにすることを目的とした。Cupidinはグルタミン酸神経伝達系とアクチン細胞骨格系のアダプターとして生後発達中の小脳の後シナプス肥厚部(PSD)に存在する。以下の点を明らかにした。1)小脳初代培養顆粒細胞において、Cupidinはグルタミン酸刺激依存的に後シナプス部のクラスターから消失する。これはグルタミン酸で活性化されるNMDA受容体を介したCa^<2+>流入によって誘導される。2)海馬初代培養細胞における後シナプス形成過程で、Cupidinの細胞内動態は他のPSD蛋白質と関連している。3)アデノウイルスベクターを用いて海馬神経細胞にCupidinを発現させると樹状突起上にマッシュルーム型の棘突起の数が増加するが、N末端とC末端domainのみを発現させると棘突起特異性がなくなり形態が変化する。以上のことから、Cupidinは後シナプスの形態形成に関連してダイナミックな局在変化を示し、刺激依存的な後シナプスの変化にも関わることが示唆された。 小脳構築における遺伝子発現プロファイルをAffymetrix GeneChipを用いてDNA microarray解析を行った。12,654遺伝子のうち81.6%がいずれかの小脳発達ステージで発現しており、そのうち2倍以上の発現変化を示すものは897遺伝子あることが分かった。これらを発現パターンや機能によってクラスタリングすることで、小脳形成の遺伝子発現の傾向を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kagami, Y.: "Investigation of differentially expressed genes during the development of mouse cerebellum"Brain Research Gene Expression Patterns. 1. 39-59 (2001)
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[Publications] Uchiyama, T: "A novel recombinant hyper-affinity lnositol 1, 4, 5-trisphosphate (IP3) absorbent traps IP3, resulting in specific inhibition of IP3-mediated calcium signaling"J.Biol.Chem.. (in press). (2002)
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[Publications] Iwasaki, H.: "Molecular characterization of the Starfish IP3 receptor an its role during oocyte maturation and fertilization"J.Biol.Chem.. (in press). (2002)
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[Publications] 中村 浩: "小脳の生後発達を導くトランスクリプトーム機構 生体の科学 第52巻"財団法人金原一郎記念医学医療振興財団/医学書院. 7 (2001)
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[Publications] 吉川文生: "哺乳類脳の形成と遺伝子(印刷中) 日本生化学会 バイオサイエンスの新世紀 第11巻 脳の発生・分化・可塑性"共立出版. (2002)