2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13214045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 覚 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50242110)
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Keywords | アダプター分子 / 癌転移 / 細胞運動 / NESH / SH3 |
Research Abstract |
細胞仮足形成への関与が示唆される新規アダプター分子NESHを発見し癌研究の視点から申請者らは解析を加えてきた。NESHはSH3領域を有する新しいアダプター蛋白質である。本研究では特にNESHアダプター分子がどのように細胞運動や癌転移の調節に関わっているのかについて解明することを目的としている。NESH類似分子(E3B1/Abi-1,Abi-2,Argbp1)のこれまでの解析結果と一致して、NESHもAblチロシンキナーゼに結合し下流へのシグナルを調節していることや、Racを介したシグナル伝達にも関与していることが明らかになった。NESHの発現は種々の高転移性癌細胞ではほとんど検出されない。また、ヒト染色体上のNESH遺伝子局在領域に一致して癌転移抑制遺伝子の存在が推測された。従ってNESHも癌化や細胞運動調節系で機能を果たしていることが予想され、NESH発現による癌細胞の運動能や転移能への影響について検討した。そして、NESHの発現は癌細胞転移を著明に抑制するが、癌細胞増殖には影響しないという結果を得た。またNESHによる細胞運動能の調節は、PAKキナーゼとの相互作用を介していることが示唆された。Two-hybrid法を用いたNESH結合蛋白質の検索により新たな分子(Tarsh)を同定した。しかし、Tarsh自体の細胞運動に対する影響やNESHとの相互作用について詳細は不明である。正常組織の血管内皮細胞や神経細胞でのNESHの発現が比較的高いため、これら細胞の運動や神経突起誘導にNESHは関与しているのかもしれない。予備的解析によれば、NESHの発現により細胞増殖因子刺激後の細胞膜ラッフリング形成は阻害された。今後は、転移能を持つ癌と持たない癌との比較で、NESHに突然変異や遺伝子欠失が見出されるのか否かを明らかにする必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasukatu Ichigotani: "Forced expression of NESH suppresses motility and metastatic dissemination of malignant cells"Cancer Res. (in press).
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[Publications] Satoru Matsuda: "Cloning and sequencing of a novel human gene that encodes a putative target protein of Nesh-SH3"J Hum Genet. 46. 483-486 (2001)
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[Publications] Satoru Matsuda: "In search of a function for the TIS21/PC3/BTG1/TOB family"FEBS Lett. 497. 67-72 (2001)
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[Publications] Kazuhiko Hayashi: "Invasion activating caveolin-1 mutation in human scirrhous breast cancers"Cancer Res. 61. 2361-2364 (2001)
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[Publications] Tatsuyoshi Yamamoto: "p73 is highly expressed in myoepithelial cells and in carcinomas with metaplasia"Int J Oncol. 19. 271-276 (2001)
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[Publications] Yasuyoshi Sohara: "Hyaluronan activates cell motility of v-Src-transformed cells via Ras-mitogen-activated protein kinase and phosphoinositide 3-kinase-Akt in a tumor-specific manner"Mol Biol Cell. 12. 1859-1868 (2001)