2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子の修飾・制御システムの異常による発がん機構
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13214086
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中尾 光善 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00217663)
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Keywords | がん / DNAメチル化 / クロマチン / タンパク質 / 翻訳後修飾 / エピジェネティクス / 遺伝子発現 / ゲノム不安定性 |
Research Abstract |
生体分子は細胞状況に応じて修飾・制御されている。ゲノムDNAや制御タンパク質の分子修飾の異常が多くの癌細胞に共通した病態のひとつである。メチル化DNA結合タンパク質MBD1は、癌抑制遺伝子や組織特異的な遺伝子のメチル化依存的な転写抑制、ゲノム安定性などに関わっている。その転写抑制ドメインの結合因子としてMCAF1を同定したが、MCAF1がヒストンH3の9番目リジンのメチル化酵素SETDB1と相互作用することを見出した。メチル化DNA領域でMBD1-MCAF1-SETDB1複合体がHP1依存性のヘテロクロマチン形成と遺伝子発現の抑制を行うことが明らかになった。また、MCAF1と相同性のある新規分子MCAF2を同定し、両者が新しいエピジェネティックな制御因子であることを明らかにした。MCAFファミリー分子が正常細胞に比して癌細胞で選択的に高発現することから、発癌現象との関連性が強く示唆された。タンパク質のユビキチン様SUMO修飾に関して、p53やPML等のSUM0化タンパク質を多量に生合成して解析する方法を確立し、細胞制御に関わる分子のSUMO修飾による機能変換を検討する基盤を示した。
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Research Products
(7 results)