2001 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞の浸潤・転移におけるLIMキナーゼシグナル経路の機能
Project/Area Number |
13216004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
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Keywords | LIMキナーゼ / コフィリン / ケモカイン / TESK / 細胞遊走 / 細胞質分裂 / ホスファターゼ / Rho |
Research Abstract |
癌の悪性化に伴う癌細胞の浸潤と転移において、癌細胞に特有の細胞間接着の減弱や細胞運動能の亢進などの変化が認められる。細胞の接着や移動において、アクチン細胞骨格の再構築が中心的な役割を担っており、低分子量GTP結合蛋白質であるRhoやRacはその中心的な役割を担っている。私達は、新規なプロテインキナーゼ、LIMキナーゼ(LIMK)を同定し、これがRac, Rhoの下流因子として、アクチン脱重合因子であるコフィリンをリン酸化することを見い出し、アクチン骨格の制御におけるRac, Rho→(PAK), ROCK→LIMK→コフィリンというシグナル伝達経路の存在を明らかにした。 本研究では、LIMキナーゼ(LIMK1,LIMK2)及びその類縁キナーゼであるTESK1,TESK2の細胞骨格制御における役割を解明し、細胞遊走や細胞質分裂におけるコフィリンのリン酸化の役割について研究を行い、以下の結果を得た。1)ケモカインSDF-1によるT細胞の遊走において、LIMK1によるコフィリンのリン酸化が必須の役割を果たしていることをはじめて明らかにした。2)LIMKの類縁キナーゼであるTESK1,TESK2を同定し、これらがコフィリンをリン酸化し、アクチン再構築を誘導することを明らかにした。TESK1はインテグリンシグナルによって活性化されることを見出した。3)コフィリンホスファターゼとしてSlingshotを同定した。4)M期特異的にLIMK1がリン酸化され、活性化されること、コフィリンのリン酸化レベルが上昇することを見出し、LIMK1によるコフィリンのリン酸化が細胞質分裂に重要で'あることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] J.Toshima et al.: "Cofilin phosphorylation by protein kinase TESK1 and its role in integrin-mediated actin reorganization"Mol.Biol.Cell. 12・4. 1131-1145 (2001)
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[Publications] H.Aizawa et al.: "Phosphorylation of cofilin by LIM-kinase is necessary for semaphorin 3A-induced growth cone collapse"Nature Neuroscience. 4・4. 367-373 (2001)
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[Publications] J.Toshima et al.: "Cofilin phosphorylation and actin reorganization activities of testicular protein kinase 2 and its predominant expression in Sertolicells"J.Biol.Chem.. 276・33. 31449-31458 (2001)
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[Publications] J.Y.Toshima et al.: "Binding of 14-3-3β regulates the kinase activity and subcellular localization of testicular protein kinase 1."J.Biol.Chem.. 276・46. 43471-43481 (2001)
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[Publications] R.Niwa et al.: "Control of actin reorganization by slingshot, a family of phosphatases that dephosphorylate ADF/cofilin"Cell. 108・2. 233-246 (2002)
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[Publications] M.Nishita et al.: "Stronal cell-derived factor-1α activates LIM-kinase 1 and induces cofilin phosphorylation for T cell chemotaxis"Mol.Cell.Biol.. 22・3. 774-783 (2002)
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[Publications] 十島二朗, 水野健作: "「細胞の形態形成の基本メカニズム」 第3章担当"金芳堂(高井義美ら編集). 200 (2001)