2001 Fiscal Year Annual Research Report
Rho標的蛋白質による細胞悪性化と細胞移動の分子機序の解析
Project/Area Number |
13216054
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 敏理 京都大学, 医学研究科, 助手 (70293876)
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Keywords | Rho / アクチン細胞骨格 / 微小管 / 細胞接着斑 / ROCK / mDia / 細胞移動 / 極性 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質Rhoは、アクチン細胞骨格の再編成を介して細胞移動・接着を調節しており、ガン細胞の浸潤転移へもその関与が示されている。また、Rhoは細胞悪性化への関与も示されており、Rhoを介するシグナル伝達経路の解明は、がん細胞の生物特性を知る上で極めて重要な情報を提供することが期待される。本年度の主たる研究成果および経過は、(1)Rho-Rac間のシグナルクロストーク(2)Rho標的蛋白質mDia、ROCKの微小管配向、安定化への寄与とその局在である。 (1)リゾフォスファチジン酸で血清飢餓状態のSwiss3T3細胞を刺激すると、ストレス線維、細胞接着斑の形成される。C3酵素で前処理しておくと、これら構造は形成されない。ROCK阻害薬Y-27632でも、ストレス線維、細胞接着斑の形成は阻害されるが、これに加え、細胞周囲にmembrane rufflilngが観察される。このrufflingはRacのdominant negative体を発現させることにより抑制されるから、Rac依存的なものである。この結果はRhoからRacへのシグナル伝達機構の存在を示唆するものである。また、そのシグナル伝達経路にCas並びにRho標的蛋白質mDiaが関与することを見い出した。 (2)HeLa細胞にmDiaの部分欠失変異体(活性化変異体)を発現させたところ、発現細胞は伸長し、アクチンストレス線維、微小管の細胞の長軸方向に沿って走行しているが認められた。このような微小管の走行に不可欠なmDiaの領域を決定したところ、mDiaのC末端側のFH2領域であることが判明した。この結果は、mDiaによるアクチン細胞骨格の再編成と微小管の配向とがmDiaの異なる領域を介していることを示唆するものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Ishizaki et al.: "Coordination of microtubules and the actin cytoskeleton by the Rho effector mDial"Nat Cell Biol. 3. 8-14 (2001)
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[Publications] D.Riveline et al.: "Focal contacts as mechanosensors : externally applied local mechanical force induces growth of focal contacts by an mDial -dependent and ROCK-independent mechanism"J.Cell Biol. 153. 1175-1186 (2001)
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[Publications] T.Kato et al.: "Localization of mammalian homolog of diaphanous, mDial, to the mitotic spindle in HeLa cells."J.Cell Sci. 114. 775-784 (2001)
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[Publications] M.Eda: "Rho-dependent transfer of Citron-kinase to the cleavage furrow of dividing cells"J.Cell Sci. 114. 3273-3284 (2001)