2001 Fiscal Year Annual Research Report
中心体過剰複製と染色体倍数性異常の発がんにおける役割の研究
Project/Area Number |
13216079
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 啓子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60294972)
|
Keywords | SCF複合体 / Skp2 / p27 / 中心体 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
私達は、サイクリンEやp27^<Kip1>のユビキチン依存性をつかさどるユビキチンリガーゼのコンポーネントSkp2をクローニングし、そのノックアウトマウス作製した。Skp2ノックアウトマウスにおいてはユビキチン化の障害の結果1)サイクリンEとp27^<Kip1>の異常な蓄積、2)染色体多倍体化や中心体過剰複製などの異常が観察されたが、個体としての発癌は認められなかった。さらに次の段階として、Skp2ノックアウトマウスを以前に作製したp27^<Kip1>ノックアウトマウスと交配することによってSkp2/p27ダブルノックアウトマウスを作製し、過剰なサイクリンEの蓄積とp27^<Kip1>の消失という癌細胞にしばしば認められる生化学的な異常を再現したが、この個体もやはり発癌は認めなかった。驚いたことに、このSkp2/p27ダブルノックアウトマウスでは、染色体多倍数体化や中心体過剰複製などSkp2ノックアウトマウスでみられた表現型は消失した。このようにSkp2ノックアウトマウスとSkp2/p27ダブルノックアウトマウスは、細胞周期関連蛋白の生化学的特徴は非常に癌細胞と類似しているものの、個体レベルでの発癌はみられず、癌誘発のためにはさらなる異常が必要であることが判明した。 また、Skp2ノックアウトマウスより調製されたリンパ球細胞及び胎仔線維芽細胞では、細胞周期のG0期からG1期ではp27は野生型細胞と同様に分解されることが判明した。これによって、p27^<Kip1>タンパク質の量的な調節はSkp2だけではなく、他の因子によっても調節されていることが判明した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hara, T.: "Degradation of p27^<Kip1> at the G0-G1 transition mediated by a Skp2-independent ubiquitination pathway"J. Biol. Chem.. 276. 48937-48943 (2001)
-
[Publications] Malek, N. P.: "A mouse knock-in model exposes sequential proteolytic pathways that regulate p27^<Kip1> in G1 and S phase"Nature. 413. 323-327 (2001)
-
[Publications] Tsukiyama, T.: "Down-regulation of p27^<Kip1> expression is required for development and function of T cells"J. Immunol.. 166. 304-312 (2001)
-
[Publications] Nagahama, H.: "Spatial and temporal expression patterns of the cyclin-dependent kinase (CDK) inhibitors p27^<kip1> and p57^<Kip2> during mouse development"Anat. Embryol.. 203. 77-87 (2001)
-
[Publications] Minamishima, A. Y: "Recovery of liver mass without proliferation of hepatocytes after partial hepatectomy in Skp2-deficient mice"Cancer Res.. 62. 995-999 (2002)
-
[Publications] Miyamoto, A.: "Increased proliferation of B cells and autoimmunity in mice lacking protein kinase Cδ"Nature. (in press). (2002)