2001 Fiscal Year Annual Research Report
難治癌に対する新戦略:腫瘍血流遮断による固形腫瘍の治療研究
Project/Area Number |
13218010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀 勝義 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00143032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 博敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10108540)
窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
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Keywords | 腫瘍血流遮断 / コンブレタスタチン / 固形腫瘍 / 壊死 / 癌化学療法 / リンパ節転移 / 血行性転移 / 微小増殖巣 |
Research Abstract |
コンブレタスタチンA-4(African bush willowからの抽出物)の新規誘導体AC7700に強力な腫瘍血流遮断作用と抗腫瘍効果があることを報告してきたが、本研究では、この作用が固形腫瘍に普遍的かどうか、また、いかなるメカニズムで腫瘍血流が遮断されるのかを検討し、以下の新知見を得た。1.AC7700による腫瘍血流遮断は、皮下移植腫瘍のみならず、発癌剤で誘発した原発腫瘍、また、臓器内で増殖する腫瘍、リンパ節転移巣、微小増殖巣でも認められた。血流遮断の結果、従来の抗癌剤のほとんどに抵抗性を示す吉田腹水肝癌AH109A、ヒト食道癌ET8にも広範囲の壊死を誘導した。血行性転移モデルに対する治療では、生じたすべての転移巣の増殖を著しく抑制した。2.腫瘍血管にAC7700を直接滴下しても腫瘍血流量は変化しないが、静脈内投与では同じ部位の血流が完全に遮断された。また、AC7700の腫瘍血流遮断効果は、動注よりも静注の方が強かった。これらの結果は、血流遮断はAC7700が腫瘍血管に直接作用することにより開始するのではないことを強く示唆している。現在、オ-トラジオグラフィーで作用点をより明確に示すために、AC7700の活性本体であるAC7739の標識化を行っている。3.AC7700を静脈内投与すると、細動脈の血管抵抗が上がり、約30分で腫瘍血流支配血管の血流が完全に途絶えた。それにより、腫瘍血管の多くで、内腔が狭窄および消失する所見が認められた。また、血流遮断後、腫瘍血流を排出する側の血管に多数の赤血球が停留し、2-3時間後に、その赤血球が溶血するのが観察された。細動脈、腫瘍血流支配血管の収縮が腫瘍血流遮断に寄与しており、二次的に引き起こされる腫瘍血答内腔の狭窄、消失、およびドレナージにおける溶血が、腫瘍血流の再開を不可能にすることが明らかとなった。腫瘍血流遮断による抗腫瘍効果は、癌細胞の個性、増殖部位に依存せず、難治癌に対する効果が期待できる。我々の基礎研究をもとに、2001年後半から、AC7700は欧米で臨床試験に入った。しかし、まだ分子レベルの解析が不十分であり、作用機序の解明を急がなければならない。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hori K: "A novel combretastatin A-4 derivative, AC7700,strongly stanches tumour blood flow and inhibits growth of tumours developing in various tissues and organs"British Journal of Cancer. (in press). (2002)
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[Publications] Hori K: "Stoppage of blood flow in 3-methylcholanthrene-induced autochthonous primary tumor due to a novel combretastatin A-4 derivative, AC7700, and its antitumor effect"Medical Science Monitor. 7. 26-33 (2001)
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[Publications] Kubota K: "Advantage of delayed whole-body FDG-PET imaging of tumour detection"European Journal of Nuclear Medicine. 28. 696-703 (2001)
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[Publications] Kubota K: "The changing pattern of lung cancer and its imaging : ^<201>TlSPECT vs FDG-PET"Journal of Nuclear Medicine. 42. 1497-1498 (2001)