2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNA塩基配列を正確に読み取るテーラーメード抗がん剤の開発
Project/Area Number |
13218046
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉山 弘 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (50183843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 俊和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20345284)
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Keywords | テーラーメード抗がん剤 / ピロールイミダゾールポリアミド / DNA塩基配列 |
Research Abstract |
1)配列特異的なアルキル化剤の開発 ピロール-イミダゾールヘアピン型ポリアミド認識部位と反応部位の間にビニルリンカーを挿入したコンジュゲート類を多種合成し,これらはビニルリンカーをもたないものと比べ、DNAに対する反応性が約100倍ほど向上することが示された。またコンピューターモデリングの結果、反応部位の裏側にピロールやイミダゾールが重なり、反応点を支えることが反応性の向上には重要であることが示唆された。 2)DNAチップを用いた配列特異的アルキル化剤による遺伝子発現への影響の解析 ヒト肺ガン細胞に対する発現に対する効果を、我々が合成した中でも強い抗細胞活性を示したImPyLDu86を用いて、細胞に1時間作用させた後にDNAチップ(Gene Chip)を用いて解析した。その結果、特にRas、サイクリンB、CDK、Rat、vFos、cMicが抑制されていることから、ImPyLDu86の細胞増殖抑制はRasをとおして最終的にサイクリンBをおさえていることが示唆され、Bax deltaの発現増加に関してもアポトーシスを引き起こした徴候を示していると考えられる。 3)ヒト培養がん細胞を用いた抗細胞活性パネル試験 これらの化合物について癌研究会において39種類のヒト培養がん細胞に対する抗細胞活性(スクリーニングパネル)を検討し、ビニルリンカーをもつ高いアルキル化能を有するポリアミドは、持たないものと比べ非常に強い活性を示すことが明らかになった。また配列特異的アルキル化能とがん細胞の違いによって、よって著しい抗がん活性の違いが見られた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fujimoto, K., Iida, H., Bando, T., Tao, Z.-F., Sugiyama, H.: "Sequence-Specific Protection of Plasmid DNA Against Restriction Endonuclease Hydrolysis by Pyrrole-Imidazole CPI Conjugates"Nucleic Acids Res. 30(17). 3748-3753 (2002)
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[Publications] Bando, T., Narita, A., Saito, I., Sugiyama, H.: "Molecular Design of Pyrrole-Imidazole Hairpin Polyamide for Effective DNA Alkylation"Chem. Eur. J.. 8,(20). 4781-4790 (2002)
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[Publications] Xu, Y., Kino, K., Sugiyamaa, H.: "The Conformation Study of Two Carbocyclic Nucleosides ; Why Carbocycleic Nucleic Acids (CarNAs) Form More Stable Duplexes with RNA than DNA Does"J. Biomolecular Structure & Dynamics. (20). 437-446 (2002)
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[Publications] Oyoshi T, Kawai K, Sugiyama H: "Efficient C2' α-Hydroxylation of Deoxyribose in Protein-Induced Z-Form DNA"J. Am. Chem. Soc.. 125. 1526-1531 (2003)
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[Publications] Bando T, Narita A, Saito I, Sugiyama H: "Highly Efficient Sequence-Specific DNA Interstrand Cross-Linking by Pyrrole-Imidazole CPI Conjuaates"J. Am. Chem. Soc. 125(In press). (2003)