2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍遺伝子治療のための汎用生体エレクトロポレーションシステムの確立
Project/Area Number |
13218059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村松 達夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60166303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 昭公 名古屋大学, 医学部, 教授 (70167542)
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Keywords | 生体エレクトロポレーション / 遺伝子導入 / 定電流電源 / 定電圧電源 / 腫瘍マウス / 肝葉 / 腸管膜静脈 / GFP |
Research Abstract |
1.生体遺伝子エレクトロポレーションのための定電流電源装置を作製し、実効出力のばらつきについて、従来の定電圧電源装置との比較を正常マウス筋肉と肝臓について行ったところ、遺伝子導入実施範囲内では従来の定電圧装置より、最も導入効率の良いと考えられる30-50ボルト付近における変動係数で約半分程度と小さいことが判明した。 2.ルシフェラーゼの発現は実効出力で定電流装置、定電圧装置ともに2.5-4ワット付近で最大となった。しかしながら、定電流装置によっても、ルシフェラーゼ櫃伝子発現自体のばらつきには定電圧装置と比較してこれら両方の組織ともに大幅な減少がみられなかった。従って、遺伝子発現の観点から電流・電圧を同時に制御できる装置の試作が必凄であると考えられた。 3.ピンセット型電極と定電流試作装置を用いて肝臓へのDNA導入経路の検討を行った。腸管膜静脈からの導入を試みたところ、GFPレポーター遺伝子発現も広範囲に特に肝葉周辺部に認められた。一方、腫瘍マウスについてはそのほとんどが死亡したが、その原因をつきとめることはできなかった。 4)電極については、ゲル電極、アルミ箔電極、おろし金電極、8針電極、湾曲型リード線電極等を試したものの、これらは遺伝子発現が肝葉表面にとどまるか、深部であっても非常に弱い発現しか得ることができず、従来用いているピンセット型電極と比べて大幅な改善はみられなかった。柔軟で圧力をかけながら肝葉をはさむことができるような電極の開発が必要であるものと考えられた。
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