2003 Fiscal Year Annual Research Report
導入遺伝子の長期発現増強法を用いた転移性癌の遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
13218069
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金田 安史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10177537)
|
Keywords | HVJ-E / 癌ワクチン / 遺伝子導入 / CTL |
Research Abstract |
抗腫瘍免疫誘導による癌遺伝子治療法の開発については、我々が新たに開発したHYJ envelope(HVJ-E)vectorを用いて遺伝子導入を試みた。HVJ-Eベクターをマウス尾静脈より注入すると脾臓のmarginal zoneに遺伝子導入できることがわかった。蛍光オリゴヌクレオチドを封入したHVJ-Eを尾静脈に注入すると蛍光を取り込んだ細胞の約20%がCD11c陽性の樹状細胞であることがわかった。そこでメラノーマの腫瘍関連抗原遺伝子の1つであるTRP2を封入したHVJ-Eを静脈内投与するとマウスメラノーマに対するCTLが誘導され担癌マウスの生存率を有意に高めることができた。しかしHVJ-Eの静脈内投与により赤血球の溶血がおこり一過性に血液凝固能の低下が見られた。またHVJ-Eの融合活性の低下がおこり遺伝子発現が阻害された。一方、蛋白を封入したHVJ-Eをマウス皮内に投与することによりTh1優位に免疫系をシフトさせることに成功し、このとき赤血球の溶血も血液凝固能の低下もおこらなかった。そこでメラノーマの腫瘍関連抗原遺伝子であるTRP2をHVJ-Eに封入しマウス皮内に投与することによりメラノーマ特異的なCTLを誘導することに成功した。この方法でマウスを免疫後、メラノーマを皮内接種することにより腫瘍の増殖を有意に抑制することができた。しかし腫瘍を接種して腫瘤形成後にこの遺伝子ワクチンを注入しても腫瘍抑制効果が再現性よく得られなかった。そこでアジュバンドとしてIL12遺伝子を併用することによりメラノーマに対するCTLを増強することができ、メラノーマ接種後にワクチンを注射しても腫瘍の抑制効果が得られ、生存率の延長を起こすことができた。TRP2のペプチドをHVJ-Eに封入して同様の実験を行ったが、ペプチドによってもCTLを誘導でき効果的な抗腫瘍ワクチンとなりうることがわかった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Ishida, C.: "Genomic organization and promoter analysis of the Dnmt3b gene."Gene. 310. 151-159 (2003)
-
[Publications] Nakabayashi, M.: "HGF/NK4 inhibited VEGF-induced angiogenesis in in vitro cultured endothelial cells and in vivo rabbit model."Diabetologia. 46. 115-123 (2003)
-
[Publications] Shimamura, M: "HVJ-envelope vector for gene transfer into central nervous system."Biochem.Biophys.Res.Comm.. 300. 464-471 (2003)
-
[Publications] Koike, H.: "Enhanced angiogenesis and improvement of neuropathy by cotransfection of human hepatocyte growth factor and prostacyclin synthase gene."The FASEB J.. 17. 779-781 (2003)
-
[Publications] Yamamoto, S.: "A novel combination of suicide gene therapy and histone deacetylase inhibitor for treatment of malignant melanoma."Cancer Gene Therapy. 10. 179-186 (2003)
-
[Publications] Oshima, K.: "Intrathecal injection of HVJ-E containing HGF gene to cerebrospinal fluid can prevent and ameliorate hearing impairment in rats."The FASEB J.. (in press).
-
[Publications] Kaneda, Y.: "Methods in ENZYMOLOGY"ELSEVIER. 596 (2003)